市原明 (野球)

市原 明

市原 明（いちはら あきら）は、1950年8月9日に千葉県で誕生した日本の元プロ野球選手である。右投げ右打ちの内野手としてプレーし、プロでは東京オリオンズと阪急ブレーブスに所属した経歴を持つ。

アマチュア野球での軌跡

市原は、高校野球の強豪として全国にその名を知られた千葉県立銚子商業高等学校で白球を追った。主に三塁手のポジションを守り、チームでは七番打者としてクリーンアップの後を担い、得点機に貢献する役割を担った。

高校三年生を迎えた1968年、銚子商業は春の第40回記念選抜高等学校野球大会への出場権を獲得。市原も主力選手の一員として甲子園の土を踏んだ。チームは順調に勝ち進み、準々決勝まで駒を進めたが、ここで岡山県代表の倉敷工業高等学校との接戦に敗れ、惜しくもベスト4進出はならなかった。特筆すべきは、この準々決勝で市原がリリーフ投手としてマウンドに上がり、甲子園での登板経験も刻んでいる。

同じ年の夏の全国高等学校野球選手権大会千葉県予選では、春の雪辱を期すチームは再び決勝まで勝ち上がった。しかし、決勝戦で千葉商業高等学校に敗北を喫し、二年連続となる夏の甲子園出場は果たせなかった。当時のチームメイトには、後にプロ入りする捕手の杉山茂や、社会人野球で活躍した内野手の町田公雄などがおり、彼らと共に歴史に名を刻んだ。

プロ野球での歩み

高校での活躍が認められた市原は、1968年に行われたプロ野球ドラフト会議において、パシフィック・リーグに加盟していた東京オリオンズから13位という下位指名ではあったものの、プロ入りのチャンスを得た。入団後も内野手として、主に若手選手の育成の場である二軍で経験を積んだ。

当時の東京オリオンズには、実績のある内野陣が揃っており、市原が一軍のレギュラーポジションを獲得することは容易ではなかった。しかし、持ち前の野球センスと努力でアピールを続け、プロ二年目の1970年には、次代を担う若手選手たちの祭典であるジュニアオールスターゲームに選出され、出場を果たした。これは、彼の潜在能力が高く評価されていたことの証と言える。しかし、依然として一軍での公式戦出場機会は限定的なものにとどまった。

プロ入り後、3シーズンを東京オリオンズで過ごした後、1971年のオフに大きな転機が訪れる。当時のプロ野球では、選手力の均衡化や選手の活躍機会の創出などを目的とした「選抜会議」（通称トレード会議）が実施されており、市原はこの会議で阪急ブレーブスから指名を受けた。これにより、市原は阪急ブレーブスへの移籍が決定した。

阪急ブレーブスに移籍後、市原は新しいチームで再起を図った。背番号も「46」に変更し、与えられた機会で最大限のパフォーマンスを発揮しようと試みた。しかし、ここでもレギュラーに定着するには至らず、限られた出場機会の中でプロでの実績を重ねることは難しかった。そして、阪急ブレーブスで2シーズンを過ごした1973年シーズン終了後、市原 明はプロ野球選手としての短いキャリアに終止符を打つことを決断した。現役引退後の詳しい活動については、公にされる情報は少ない。

所属球団と背番号

市原 明がプロ野球選手として在籍した球団と、それぞれの期間に着用した背番号は以下の通りである。

東京オリオンズ: 1969年 - 1971年
背番号 61 （1969年）
背番号 50 （1970年 - 1971年）
阪急ブレーブス: 1972年 - 1973年
* 背番号 46 （1972年 - 1973年）

市原の出身地である千葉県は、彼が最初に所属した東京オリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズの前身の一つ）が後に本拠地を移した地でもある。また、阪急ブレーブスは現在のオリックス・バファローズの前身球団の一つであり、市原明の名前は両球団の歴史の一部として記憶されている。

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