市川齊入 (2代目)

二代目 市川齊入について

二代目市川齊入（いちかわ さいにゅう）は、1947年10月1日に大阪府堺市で生まれた著名な歌舞伎役者です。彼の屋号は高嶋屋で、定紋は右三ツ巴に定められています。市川齊入は、歌舞伎の名跡を受け継いだ当代であり、本名は市川 齊（いちかわ ひとし）です。特に、長い間「三代目市川右之助」の名で知られており、実力派の役者として多くの舞台で活躍してきました。

家族背景と経歴

市川齊入の家族は、歌舞伎の名門に属しています。彼の祖父である二代目市川右團次は上方歌舞伎の名手として名を馳せており、父もかつては二代目市川右之助として活躍していました。市川齊入は、子役としての経験を持ちながら、1955年に三代目市川壽海のもとで学び始め、上方歌舞伎の世界に飛び込みます。彼の初舞台は、大阪歌舞伎座における『寺子屋』の小太郎役でした。この舞台を契機に彼は、上方歌舞伎の舞台でキャリアを積み上げていきました。

師である市川壽海の死去後、1973年には十二代目市川團十郎の門下に入門し、以降はその一門で活動を続けました。このような歴史ある一族で育った背景が、彼の才能を一層引き立てていることでしょう。

襲名とその意義

市川齊入は、2017年に襲名しました。彼の襲名は、曾祖父である初代市川右團次がその名跡を息子に譲って以来、約100年ぶりの出来事でした。2017年1月に三代目市川右近が名跡を復活させると、続いて7月には自らの襲名がありました。特に、この年の襲名披露公演では、彼の名と右團次の名が103年ぶりに上方劇場で共演することになり、多くのファンから期待を寄せられました。

演技の幅と最近の活動

市川齊入は、立役から女形まで幅広い役柄を巧みに演じることができるエキスパートで、特に最近では老け役が増えています。襲名記者会見においても、今後はお婆さんの役を演じたいとの意欲を表明しており、その柔軟な演技力が評価されています。彼は、伝統的な演目だけでなく、新作歌舞伎や江戸狂言でも活躍しており、常に新しい挑戦を続けています。

受賞歴と公私

市川齊入のキャリアは、数々の受賞歴で彩られています。1968年には三洋新人文化賞を受賞し、1974年には重要無形文化財に認定されました。国立劇場奨励賞も1980年から1999年にかけて複数回受賞しており、2022年には文化庁長官表彰をも受けるなど、彼の実力が広く認められています。

プライベートでは、桃山学院大学経済学部を卒業し、公称の身長165cm、体重52kg、血液型はO型です。趣味として囲碁、釣り、ゴルフを挙げており、好きな花はバラ、色は緑であることが知られています。

まとめ

二代目市川齊入は、歌舞伎界の重鎮として、伝統を継承しつつも新たな挑戦を続ける役者です。その多才な演技と経験豊富な背景は、彼をさらに際立たせており、今後の活躍にも期待が寄せられています。

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