市村博

市村 博（いちむら ひろし）

市村 博は、1947年に生まれた日本の建築家、構造家です。長年の建築分野での経験を活かし、現在では主に住宅関連の建築コンサルタントとして活動しています。

経歴

建築への道を志した市村氏は、日本大学理工学部建築学科で建築を学びました。1969年に同学科を卒業後、坪井善勝氏の研究室に所属し、建築物の構造の要となる構造力学を専門的に探求しました。大学での学びを終えた後、大手ゼネコンの設計部に勤務し、実務経験を積みました。

1974年には独立を決意し、自身の建築設計事務所を開設しました。設立当初は、大学で専門に学んだ構造力学の知識を活かし、構造設計を主な業務としていました。しかし、時を経て業務範囲を拡大し、住宅建築を中心とした設計や工事監理業務も手掛けるようになります。これにより、建築全体、特に人々が暮らす「家」に関する深い知見と経験を積み重ねていきました。

設計・監理業務と並行して、この時期からハウスメーカーに対する住宅コンサルタント業務も開始しました。業界の内情を知る専門家として、ハウスメーカーの家づくりに関するアドバイスや評価を行うようになります。この活動は、後の執筆活動へと繋がる重要な一歩となりました。

建築設計事務所として多忙な日々を送る中、2001年には事務所を廃業するという大きな転換期を迎えます。そして同年、新たに「住まいと土地の検査機構」を設立しました。これは、消費者が安心して住まい選びや建築を行えるよう、専門家による公正な検査・評価サービスを提供することを目的としています。また、同時期には自身のウェブサイト上に「住まいと土地の総合相談センター」を開設しました。このオンラインプラットフォームを通じて、一般の人々が抱える住まいや土地に関する様々な疑問や悩みに答える情報発信や個別相談に対応することで、建築専門家としての知見を広く社会に還元しています。これらの活動を通じて、現在は住宅コンサルタントとしての役割を中心に、消費者の立場に寄り添った住まいに関する支援を行っています。

著書

市村氏は、その豊富な経験と専門知識をもとに、一般消費者向けの住宅に関する解説書を多数執筆しています。特にハウスメーカー選びや賢い家づくりに関する著書が多く、ベストセラーとなったものもあります。主な著書には以下のようなものがあります。

『真面目に家を造りました』（ストーク）
『間違いだらけのハウスメーカー選び』（廣済堂出版社）
『間違いだらけのハウスメーカー選び2 実践偏』（廣済堂出版）
『間違いだらけの家選び』（廣済堂出版）
『間違いだらけのハウスメーカー選び3』（出版社情報なし）
『絶対に失敗しない家づくり』（出版社情報なし）
* 『ハウスメーカーで「いい家」を建てる方法』（出版社情報なし）

これらの著書を通じて、市村氏は、複雑で分かりにくいと思われがちな住宅業界の仕組みや、良い家を建てるための具体的なポイントを、一般の人々にも理解しやすい言葉で伝えています。構造家、建築家、そしてコンサルタントとして培った多角的な視点から、後悔しない住まい選びのための実践的なアドバイスを提供し続けています。

市村氏は、自身の専門知識と経験を基に、建築・構造の観点から消費者がより良い選択をするためのサポートを精力的に行っている人物と言えるでしょう。住宅コンサルタントとしての活動や執筆を通じて、多くの人々が「住まい」に関する正しい知識を得る手助けをしています。

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