市村家橘 (17代目)

十七代目 市村家橘（じゅうしちだいめ いちむら かきつ）は、1949年1月21日生まれの歌舞伎役者、俳優です。屋号は橘屋、定紋は根割り橘、替紋は左巻き七巻き半渦巻を用いています。伝統歌舞伎保存会の会員でもあり、歌舞伎界において重要な役割を担っています。

本名は市村 寿（いちむら ひさし）といい、舞踊家としては村山右近の名も持っています。歌舞伎役者としての活動に加え、俳優としても幅広く活躍しています。

プロフィール

二代目市村吉五郎を父に、清元節の名取りである母の間に長男として生まれました。幼少の頃から歌舞伎に親しみ、1956年7月には歌舞伎座で『再茲歌舞伎花轢』（お祭）の倅芳松役で初舞台を踏み、市村寿を名乗りました。その後、1967年10月に歌舞伎座で『島鵆月白浪』（島鵆）のお仲役などを務め、十七代目市村家橘を襲名しました。1973年7月には名題に昇進し、その実力を認められました。

1979年には、重要無形文化財（総合認定）に認定され、伝統歌舞伎保存会の会員となりました。これは、市村家橘が歌舞伎界において、その技芸と伝統を継承する重要な役割を担っていることを示しています。

係累

父方の養祖父は十五代目市村羽左衛門、父方の実祖父は十二代目片岡仁左衛門という歌舞伎の名門の血筋を受け継いでいます。特に、十二代目片岡仁左衛門の血筋を歌舞伎界に残す最後の役者として、その責任と役割は非常に大きなものです。また、片岡進之介、片岡孝太郎、六代目片岡愛之助はいずれも義理の三従弟にあたります。

弟は江戸浄瑠璃清元節の清元佳栄太夫であり、一人娘の小川彩（AYA、SIZKU）は元女優で、現在は歌やデザインを手がけるアーティストとして活動しています。母方の曾祖父は五代目清元延寿太夫、祖父は四代目清元栄寿太夫であり、七代目清元延壽太夫は従弟、二代目尾上右近は従甥にあたるなど、親族にも多くの芸能関係者がいます。

受賞歴

市村家橘は、数々の賞を受賞しています。1959年には大谷会長賞を受賞したのを皮切りに、1987年には片岡仁左衛門賞、1991年と1995年には歌舞伎座賞、1997年と2000年には眞山青果賞奨励賞を受賞しています。これらの受賞歴は、彼の長年の活動と功績を称えるものです。

主な当たり役

市村家橘は、数々の舞台で印象的な役を演じてきました。主な当たり役としては、『源平布引滝・実盛物語』の九郎助娘小万役、『南総里見八犬伝』の犬川荘助役、『天衣紛上野初花・河内山』の和泉屋清兵衛役などが挙げられます。これらの役を通じて、その卓越した演技力と表現力を観客に示してきました。

その他にも多くの舞台で活躍し、歌舞伎界に大きな貢献をしています。その存在は、歌舞伎の歴史と伝統を次世代に繋ぐ上で欠かせないものとなっています。

外部リンク

歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 / 市村 家橘（十七代目） - （歌舞伎 on the web）
１７代目 市村家橘 歌舞伎役者
家橘チャンネル - YouTubeチャンネル
17代目市村家橘のBLOG - Ameba Blog

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