市村直樹

市村 直樹（いちむら なおき）氏は、1973年8月9日生まれ、神奈川県横浜市出身の日本の俳優です。現在はアール・クルーに所属しており、以前は円谷プロダクション芸能部や宝映テレビプロダクションにも在籍していました。

来歴と人物像

横浜に生まれた市村氏は、父親の転勤に伴い、幼少期から少年時代にかけて熊本や茨城など各地を転々としながら過ごしました。俳優を志すきっかけは、映画『グーニーズ』でキー・ホイ・クァン氏の演技に感銘を受けたことでした。当時、彼を日本人俳優だと誤解しており、外国映画に出演することを夢見るようになったといいます。

また、当時人気を博していた俳優、高橋良明氏に強い憧れを抱き、彼が所属していた東京宝映テレビ（現在の宝映テレビプロダクション）に研究生として入所しました。念願叶って1987年のドラマ『オヨビでない奴!』で高橋氏と共演を果たしますが、自身がエキストラに近い立場であったことに直面し、俳優という職業の厳しさを肌で感じた経験は、その後の活動における原動力の一つとなったようです。

正式なデビュー作品は、オーディションで木村拓哉氏の後輩役に選ばれた1991年のテレビドラマ『松葉杖のラガーマン』です。19歳で東京アクターズスタジオに入所し、そこで演出家の大山勝美氏、石橋冠氏、堀川とんこう氏といった著名な方々との出会いがありました。彼らからの指導や影響は、市村氏の俳優としての成長に深く関わっています。

主な活動と作品

市村氏は、そのキャリアを通じて映画、テレビドラマ、舞台、テレビ番組、CMなど、幅広い分野で活躍しています。特に広く知られている仕事の一つに、1997年から2001年にかけてNHK教育テレビで放送された番組『なぜなぜ日本』の主人公、ナオキ役があります。この役柄を通じて、多くの視聴者に親しまれました。

また、2005年の映画『バッシュメント』では個性的なオカマ役を演じるなど、多様な役柄に挑戦しています。これらの活動が評価され、日本映画テレビプロデューサー協会アクターズセミナー賞を受賞しています。

出演作品は非常に多岐にわたります。映画では『ULTRAMAN』、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』といった特撮作品から、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』のような単館系作品まで参加しています。テレビドラマも多く、『七人の女弁護士』、『電光超人グリッドマン』、『新宿鮫 無間人形』、『ウルトラマンコスモス』、NHKの時代劇『茂七の事件簿』シリーズ、横山秀夫サスペンスシリーズ、松本清張特別企画など、幅広いジャンルや著名なシリーズに出演。WOWOWのドラマWシリーズやテレビ東京の経済ドキュメンタリードラマ『ルビコンの決断』にも複数回出演しており、NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』にも登場しています。

テレビ番組では、『とってもラッキーマン』、『アッコにおまかせ!』のアシスタント、『なぜなぜ日本』のナオキ役の他、旅番組やフィッシング番組のリポーター、情報番組の家電アドバイザーとしても活動。舞台では、円谷劇団の公演などに参加しています。オリジナルビデオ作品や、カルビー、東洋水産、NTT Docomo、SUBARUなど、大手企業のCFにも多数出演しており、その活動範囲の広さが伺えます。

長年にわたり、堅実な演技で様々な作品を支える存在として、日本の映像・舞台業界に貢献しています。

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