市東村

市東村（しとうむら）とは

市東村は、かつて千葉県市原郡に存在した村です。1889年（明治22年）の町村制施行に伴い、周辺の12の村が合併して誕生しましたが、1955年（昭和30年）に昭和の大合併により、湿津村と合併し市津村となり、その歴史を閉じました。現在の市原市の北東部、市津地区に位置していました。

地理

市東村は、市原郡の北東端に位置していました。1916年（大正5年）時点での記録によれば、北は千葉郡の誉田村と椎名村、東は山武郡の土気本郷町、南は長生郡の上長柄村、二宮本郷村、新治村、そして西は湿津村と菊間村と隣接していました。

この地域は、現在の市原市とほぼ重なる範囲に位置しており、村の境界線は複雑に入り組んでいたことがわかります。

市東村を構成した12の旧村

1916年（大正5年）に編纂された『千葉県市原郡誌』によると、市東村は以下の12の旧村（大字）から構成されていました。

1. 番場（ばんば）
2. 永吉（ながよし）
3. 中野（なかの）
4. 押沼（おしぬま）
5. 瀬又（せまた）
6. 高田（たかた）
7. 高倉（たかくら）
8. 古都辺（こつべ）
9. 東国吉（ひがしくによし）
10. 奈良（なら）
11. 金剛地（こんごうじ）
12. 板倉（いたくら）

これらの旧村は、町村制が施行される以前から存在していた集落であり、それぞれが独自の歴史と文化を持っていました。

歴史

市東村の歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行に始まります。それまで独立した村であった瀬又村、番場村、押沼村、中野村、東国吉村、金剛寺村、板倉村、永吉村、高田村、高倉村、奈良村、古都辺村が合併し、市原郡市東村として新たな一歩を踏み出しました。

しかし、市東村の歴史は長くは続きませんでした。1955年（昭和30年）2月11日、昭和の大合併の波に乗り、湿津村と合併して市津村となり、市東村の名前は地図から消えることとなりました。この合併により、市東村は66年間の歴史に幕を閉じました。

まとめ

市東村は、明治時代に誕生し、昭和の大合併で消滅した、千葉県市原郡の村です。現在の市原市北東部に位置し、12の旧村が合併して成立しました。短命な村ではありましたが、地域の歴史を語る上で重要な存在であり、その変遷は、日本の地方行政の歴史を映し出す鏡とも言えるでしょう。

参考資料

市原のあゆみ
小沢治郎左衛門『上総国町村誌 第一編』1889年。NDLJP:763698。
千葉県市原郡教育会『千葉県市原郡誌』千葉県市原郡、1916年。NDLJP:951002。
『明治22年千葉県町村分合資料 七 市原郡町村分合取調』1889年。

関連項目

* 千葉県の廃止市町村一覧

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