帝国活動写真

帝國活動冩眞株式會社（ていこくかつどうしゃしん）は、1920年（大正9年）11月8日に設立され、1921年（大正10年）4月に改称・合併した、かつて東京に存在した日本の映画会社です。現在の松竹株式会社の前身となったことで知られています。略称は帝活です。

設立の背景

松竹の起源は、1895年（明治28年）12月、大谷竹次郎が京都・新京極に「阪井座」のオーナーとなった時に遡ります。現在の松竹株式会社はこの時を創業とみなしています。1902年（明治35年）1月には、兄の演劇興行者・白井松次郎とともにその名をとって「松竹」と名乗り、「大阪朝日新聞」が松竹合資会社の設立を報道しました。その後、松竹合名会社と改称した演劇興行会社「松竹」は、1920年（大正9年）2月、東京市京橋区築地3丁目に「松竹キネマ合名社」を設立し、映画の製作・配給を発表するとともに、「2-3万坪の撮影所用地」と「人材」を募集する広告を新聞に出しました。

帝國活動冩眞株式會社の設立

松竹キネマは、最終的に東京府荏原郡蒲田村（現在の東京都大田区蒲田5丁目）の「中村化学研究所」の跡地9,000坪を買収し、同年6月に「松竹キネマ蒲田撮影所」をオープンしました。同撮影所の開設第1作は、同年11月1日に松竹直営の「歌舞伎座」で公開された3巻ものの短編映画『島の女』でした。その公開からちょうど1週間後の同年11月8日、東京市本郷区に設立されたのが、この「帝国活動写真株式会社」です。風間礼助、小林喜三郎らが取締役に名を連ねていたことから、興行を目的とした会社であったことが伺えます。

松竹キネマへの改称・合併、そして現在へ

設立からわずか5か月後の1921年（大正10年）4月、「帝国活動写真株式会社」は、社名を「松竹キネマ株式会社」に改称し、「松竹キネマ合名社」を吸収合併しました。本社は本郷区から旧松竹キネマ合名社の所在地に移転しました。この「松竹キネマ株式会社」は、1936年（昭和11年）1月に蒲田撮影所を閉鎖・売却して大船撮影所に移転し、翌年の1937年（昭和12年）には、「松竹興行株式会社」を吸収合併し、社名を現在の「松竹株式会社」と改めて現在に至ります。そのため、現在の松竹の「設立年月日」は、「帝国活動写真株式会社」の設立年月日である1920年11月8日となっています。

関連事項:

松竹
松竹蒲田撮影所

もう一度検索