帝国軍人後援会

帝国軍人後援会について

帝国軍人後援会は、大日本帝国の軍人を支援するために設立された社団法人です。この組織の誕生は1896年に遡り、当初は「軍人遺族救護義会」という名称でした。設立の背景には、衆議院議員である郡山保定と石井大造が日清戦争のための臨時国会記念碑建設運動に関与していたことがあります。彼らは、参謀総長の川上操六からの「挙国軍事を後援すべきである」という言葉に刺激を受け、帝国軍人をサポートする組織を立ち上げることに決めました。

1899年には社団法人としての体制を整え、明治39年には名称を現在の「帝国軍人後援会」に改称しました。この組織の主な目的は、軍人に対して後顧の憂いをなくし、義勇奉公の精神を育むことです。この目的を達成するために、さまざまな事業が行われてきました。具体的には、軍人及びその家族、遺族の保護と慰問、善行を奨励する活動、機関誌『後援』の発行などが含まれています。

事務所は東京市牛込区若松町に位置し、全国各地に支会や分会が設けられました。やがて、皇族を総裁に迎え、会員は名誉会員、有功会員、特殊会員、特別会員、通常会員、賛助会員の６種類に分類されました。初代の総裁には伏見宮貞愛親王が就任し、初代会長には長谷信篤が選ばれました。その後も、坊城俊章や榎本武揚などが会長職を務めました。

この会が実施した事業の一環として、金銭寄付も行われました。特に保護が必要な軍人やその家族には、年200円を上限に支給されました。また、学資貸与や14歳未満の保育費の給付を通じて教育や子供の育成支援を行い、さらに恩給や年金を受け取る者への資金貸与も行われていました。特に、中学校以上の生徒や教練中の者が傷病にかかったり、亡くなった場合には慰謝金が支給されました。

1938年には、帝国軍人後援会が大日本軍人後援会や振武育英会などの団体と統合され、恩賜財団軍人援護会が創立されました。これにより、組織が発展的解消を迎え、より広範な軍人支援の体制に移行しました。

また、1906年には明治天皇からの勅語が帝国軍人後援会に対して発表され、戦争に際しての支援活動が評価される機会ともなりました。

歴代の役員には、総裁として皇族の人物が名を連ねており、様々な著名な政治家や軍人が活動に関与していました。彼らの努力により、帝国軍人後援会はその存在意義を発揮し続けました。

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