帰って来た木枯し紋次郎 (映画)

『帰って来た木枯し紋次郎』

『帰って来た木枯し紋次郎』は、1993年11月20日に東宝洋画系の日比谷シャンテ・シネ1で特別単館上映された日本映画である。この映画は、中村敦夫の主演によるテレビドラマ『木枯し紋次郎』の続編として制作された。特に、日本の時代劇の魅力を引き出すために、35mmフィルムで撮影し、それをハイビジョンで後世に残すことを目的とした市川崑監督の構想のもとでの作品である。

制作背景と受賞歴

本作は、原作者の笹沢左保が新たにプロットに取り組み、監督もテレビシリーズと同じく市川崑が務めた。映画の完成度が非常に高いことから、公開の運びとなり、最初はテレビ放送の前に2週間限定で劇場上映された。さらに、本作はキネマ旬報賞の助演男優賞を岸部一徳が受賞するなど、その評判を呼んだ。

作品の特徴

映画の主題歌は、テレビ版でも使用されている「だれかが風の中で」でありながらも、音源についてはキングレコードに残されていたものをドルビー・ステレオの形に改めて使用された。また、タイトルバックの処理に関しては、映像制作時に見つからなかった文字抜きネガの代わりに、昔の16ミリフィルムから適したショットを探し出し、新規に撮影した映像も加えられている。この作品における紋次郎の台詞も、これまでのドラマ版とは異なり、菅原文太が主演した東映版に近い表現を用いている。

ストーリー概要

ストーリーは弘化3年に設定されている。5年前、木曽山中での仇討ちに巻き込まれた木枯し紋次郎は、死んだと思われていたが、実はきこりの伝吉によって助けられ、杣人として静かな生活を送っていた。そんな中、6年前に木曽を離れた伝吉の息子、小平次が渡世人として現れる。彼は伝吉に上州での大仕事を告げ、再び故郷に戻っていく。

大けがを負った伝吉は小平次の未来を案じ、最後の頼みとして紋次郎に彼を連れ戻してほしいと懇願する。紋次郎は再び草鞋を履く決意をし、因縁の地である上州に向かうことに決める。

出演者

映画には多くの著名な俳優が出演しており、主なキャストは以下の通り。

• - 木枯し紋次郎 - 中村敦夫
• - お真知 - 坂口良子
• - 木崎の五郎蔵 - 岸部一徳
• - 伝吉 - 加藤武
• - 小平次 - 金山一彦
• - その他、大勢の俳優が脇を固めている。

スタッフ

この作品は、市川崑監督をはじめ、魅力的なスタッフが参加している。脚本を市川崑、中村勝行、中村敦夫が手がけたほか、音楽は谷川賢作が担当し、主題歌は上條恒彦によって歌われた。

本作は、オリジナルのドラマからの続きであり、特別な制作背景や新たな工夫がなされた映画である。ファンにとっては懐かしさと新しさが融合した、見逃せない作品となっている。

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