帰郷 (さだまさしのアルバム)

アルバム『帰郷』の詳細

『帰郷』（ききょう）は、シンガーソングライターのさだまさしが1986年10月に発表したベスト・アルバムで、全曲新録音のセルフカバー作品です。これは彼のソロ・デビューから10周年を祝う意味を持っており、さだはこれまで毎年オリジナルアルバムをリリースしていましたが、1986年にはこのアルバム制作に専念するために新作の発表を控えました。

このアルバムには、さだまさしがワーナー所属時代に発表した楽曲が再録音されており、特に『精霊流し』や『関白宣言』などの代表曲が新たにアレンジされています。また、アルバムの続編として1999年に『続帰郷』が発売され、同様のテーマで楽曲が収録されました。

ディレクターの八野行恭によると、これらのアルバムはさだの音楽人生を振り返り、彼の作品の重要な選集となっています。

収録曲について

アルバム『帰郷』には多くの名曲が収録されています。以下はその一部です。

• - 精霊流し [5:46]

- さだのグレープ時代の代表曲であり、オリジナル・キーから異なるキーに変更されています。間奏では吉田政美のギターが印象的です。

• - 交響楽（シンフォニー） [4:29]

- グレープのアルバム『せせらぎ』からの楽曲で、比較的原曲に近いアレンジが施されています。

• - 無縁坂 [4:31]

- ヒット曲の一つで、アレンジを手掛けたのは亀山社中のメンバー、信田かずおです。

• - 縁切寺 [4:02]

- グレープのアルバム『コミュニケーション』に収録されている楽曲です。

• - 掌 [4:16]

- 同じく『せせらぎ』収録の名曲で、観客に強い印象を与える作品です。

• - フレディもしくは三教街 ─ロシア租界にて─ [7:08]

- デビュー35周年記念コンサートでさだがこの曲をソロ時代のものと間違われることがあったと述べています。

• - 僕にまかせてください [4:13]

- クラフトに提供した楽曲で、スタジオ録音はこのアルバムが初めてです。

• - 関白宣言 [6:24]

- さだまさしの最大のヒット曲で、その歌詞には深い意味が込められています。

• - 案山子 [4:53]

- さだが特に気に入っている楽曲で、コンサートでもしばしば演奏されます。

• - 秋桜 [4:28]

- 山口百恵に提供した名曲で、さだ自身も以前にセルフカバーを行っています。

• - 転宅 [5:33]

- アルバム『帰去来』からの収録曲で、心に響く物語性があります。

• - 主人公 [5:22]

- アルバム『私花集』収録の名曲で、ファンからの人気も高い楽曲です。

制作陣

アルバムの作詞・作曲はすべてさだまさしが手掛け、編曲は主に渡辺俊幸が行っていますが、「精霊流し」や「フレディもしくは三教街」はそれぞれ他のアレンジャーによるものです。また、主な参加ミュージシャンにはギターの吉川忠英やピアノの倉田信雄、コーラスのEVEなどが名を連ねており、さだの音楽に彩りを添えています。

このアルバム『帰郷』は、さだまさしの音楽の魅力を改めて感じさせる作品として、多くのファンに愛され続けています。

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