常圓寺 (新宿区)

常圓寺

常圓寺は、東京都新宿区西新宿に位置する日蓮宗の寺院です。福聚山という山号を持ち、旧本山は平賀本土寺で、奠師法縁に属しています。創建年代ははっきりとはわかっていませんが、1585年頃に渋谷区幡ヶ谷付近から青梅街道沿いの現在地に移転したと伝えられています。

歴史と特徴

常圓寺は、その歴史の中で多くの高僧を輩出してきました。特に、日蓮宗の最高学府である中村壇林において、能下（学長に相当）を務めた僧を輩出したことは特筆すべきでしょう。しかし、1945年の戦災によって多くの建物や寺宝を失いました。その後、復興が進められ、現在に至っています。

文化財

常圓寺には、歴史的価値の高い文化財が数多く所蔵されています。

三宝諸尊: 戦災を免れ、本堂に安置されている仏像群。徳川光圀の寄進と伝えられています。
感応胎蔵の祖師像: 11代将軍・徳川家斉の守護仏であったとされ、祖師堂に祀られています。
仏眼御書: 日蓮真筆の書状断簡。かつて伊予国西条藩主・松平家に秘蔵されていたものが、2005年に常圓寺に寄贈されました。
便々館湖鯉鮒狂歌碑: 新宿区指定史跡。江戸時代中期の狂歌師、便々館湖鯉鮒の狂歌を刻んだ碑で、1819年に建立されました。碑文は、大田南畝の筆によるものです。
江戸時代末期の旗本筒井政憲の墓: 新宿区指定史跡。

伽藍と関連施設

常圓寺には、以下の関連施設があります。

常圓寺日蓮仏教研究所: 教学研究と僧侶の育成を目的として、2006年に開設されました。旧信用組合ビルを改修して利用しており、研究成果は定期刊行物『日蓮仏教研究』にまとめられています。
日蓮宗東京都西部宗務所: 祖師堂ビルの4階にあり、東京西地域の日蓮宗寺院、教会、結社などを管轄しています。
辰野金吾・辰野隆・辰野保の墓: 東京駅などを設計した建築家、辰野金吾とその息子たちの墓所です。

活動

常圓寺は、教学を重視する姿勢を反映して、日蓮仏教研究所の活動以外にも、公開講座や教室など、様々な催しを行っています。これらの情報は、常圓寺の公式サイトで確認できます。

また、檀家墓地以外にも、室内墓所、永代供養墓、樹木葬型合祀墓、ペット納骨堂、ペット墓地など、多様な供養の形を提供しています。

参考資料

新宿歴史博物館編集『新宿文化財ガイド（改訂版）』（（財）新宿区生涯学習財団、2007年）

外部リンク

常圓寺公式サイト
日蓮宗東京都西部宗務所
幕末維新 史跡観光

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