常念寺 (木津川市)

常念寺：歴史と文化が息づく木津川市の寺院

概要

京都府木津川市加茂町に佇む常念寺は、天台真盛宗に属する寺院です。多聞山を背に、阿弥陀如来を本尊として、人々の信仰を集めています。静寂に包まれた境内には、歴史の重みと、人々の祈りが感じられる、落ち着いた雰囲気があります。

歴史と変遷

常念寺の創建は1492年、天台真盛宗の開祖である真盛と、盛憲によって開山されました。その後、1621年には、著名な武将である藤堂高虎が滞在したという記録が残されています。江戸時代初期の1630年頃には一時、浄土宗に改宗しましたが、1704年には再び天台真盛宗に戻りました。

1712年、木津川の大洪水により寺は水没。現在の地へと移築されました。その後も、1996年には本堂の改築、2000年には平和観音の落慶法要、恵安石製の釈迦三尊像や十六善神像などのレリーフの完成など、幾度かの改修や新たな造営が行われ、現在に至っています。

貴重な文化財

常念寺には、数多くの貴重な文化財が保存されています。

特に、国指定重要文化財である『絹本著色仏涅槃図（附：寛正三年六月施入旧裏書）』は、鎌倉時代の作とされ、仏教美術史において重要な作品です。

この他、室町時代の『三千仏図』や『真盛上人六字名号』といった絵画、そして、府登録文化財にも指定されている『十王坐像』『倶生神半跏像』『奪衣婆坐像』などの仏像、南北朝時代の『阿弥陀如来立像』、室町時代の『釈迦三尊像』、藤原時代の『地蔵菩薩半跏像』、鎌倉時代の『地蔵菩薩立像』、更には『十一面観音像』や『大黒天像』など、多様な時代の仏像が伝えられています。

石造物としては、『盛憲上人念佛供養板碑（永正17年銘）』などが現存しており、それぞれが寺院の歴史と信仰の深さを物語っています。

アクセスと周辺情報

常念寺へのアクセスは、JR大和路線加茂駅から徒歩約10分と便利です。周辺には、浄瑠璃寺、海住山寺、山城国分寺跡（恭仁宮跡）、御霊神社（旧燈明寺）、加茂文化センター（あじさいホール）など、歴史的建造物や文化施設が点在しており、歴史散策に最適な立地です。

まとめ

常念寺は、創建以来、幾多の困難を乗り越え、人々の信仰を集めながら歴史を刻んできた寺院です。貴重な文化財を数多く有し、地域の文化・歴史を伝える重要な役割を担っています。静かな境内には、歴史の息吹と、人々の祈りが感じられ、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。静かに時を刻む常念寺は、木津川市の歴史と文化を深く知るための貴重な場所と言えるでしょう。

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