常松之典

常松之典について

常松之典（つねまつ ゆきのり）は、1915年11月14日に東京で生を受け、1980年5月10日に逝去した日本の著名な微生物学者です。彼の研究は日本のトキソプラズマおよびトキソプラズマ症分野で重要な役割を果たし、特にその研究成果は、微生物学の進展に寄与しました。

生い立ちと教育

常松氏は、東京帝国大学の医学部に進学し、卒業後は整形外科に入局します。しかし、胸の病気を機に、予防医学を志し、伝染病研究所での研究に転向しました。彼は武蔵高等学校で学び、水泳部に所属していたことからも、その青春時代に多様な経験を積んでいたことが伺えます。

研究業績

彼の学術キャリアは、まず伝染病研究所の第7研究部での活動によって始まります。ここでは、髄膜炎菌や淋菌の研究を行い、微生物学の基礎を築きました。1952年頃から、彼は長谷川秀治教授の指導のもとトキソプラズマの研究に深く関与し、日本国内でのトキソプラズマおよびその関連疾患に関する初期の研究を担いました。この研究において、トキソプラズマの分離株第1号であるRH株の輸入も手掛け、重要なマイルストーンとなりました。

さらに、彼は淋菌の検出法やその培養に必要な選択培地の開発にも寄与しました。これにより、微生物系統保存施設の整備に力を注ぎ、後の世代の研究者たちにとって大きな基盤を築いたのです。

学歴とキャリア

常松氏の略歴は特筆すべきものであり、彼は1941年に東京帝国大学医学部を卒業し、その後整形外科に進みました。1943年には伝染病研究所の第7研究部で研究を開始し、1954年には助教授に昇進します。この間、カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）への留学も経験し、国際的な視野を広げました。1960年には教授に就任し、1967年には医科学研究所の細菌感染研究部に改称されています。

彼は1976年に停年退官となりますが、同年4月からは帝京大学医学部で寄生虫学を教え、多くの学生の指導に当たりました。

最後と受賞歴

常松氏は1980年に心不全により亡くなりましたが、その業績は現在でも評価されています。特に1968年には、松林久吉との共同で野口英世記念医学賞を受賞しており、彼の微生物学への貢献が広く認知されたことを示しています。

まとめ

常松之典は、日本の微生物学における先駆者の一人であり、特にトキソプラズマ研究において傑出した業績を残しました。彼の研究は、現在の医学界においても重要な指導原理として引き継がれ、広く利用され続けています。

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