常浪川

常浪川（とこなみがわ）

常浪川は、新潟県阿賀町を流れる阿賀野川の支流です。中之又山（標高1,070m）を源流とし、阿賀町内を北東方向に流れ、津川市街の麒麟山付近で阿賀野川に合流します。

地理・環境

常浪川の流域は、河岸段丘が発達しており、その大部分（90%以上）が森林となっています。その他、水田や畑が約2%、建物用地が約0.5%を占めています。

清流として知られる常浪川は、魚釣や川遊びなど、地域住民の憩いの場、レクリエーションの場として親しまれています。スナヤツメ、カワヤツメ、アブラハヤ、ウケクチウグイ、ドジョウ、アカザ、カジカなど多様な水生生物が生息しており、豊かな生態系を育んでいます。上川支所近くには、遊具や炊事場、トイレなどが整備された向ノ島公園があり、家族連れなどで賑わっています。

また、流域には大尾不動滝、室谷洞窟、小瀬ヶ沢洞窟、旭滝、たきがしら湿原など、多くの景勝地が存在します。御神楽温泉では、常浪川の美しい自然景観を楽しみながら温泉に浸かることができます。

産業

流域では、農業と林業が現在も行われています。かつては西川鉱山をはじめとする小規模な鉱山が多数存在していました。

災害

常浪川は、過去に何度か水害に見舞われています。平成23年7月新潟・福島豪雨の際には、流域の気象庁アメダス「室谷」で国内最高記録となる10分間降水量50.0mmを観測し、氾濫が発生しました。過去には、1969年8月の台風7号や平成16年7月新潟・福島豪雨などでも氾濫が発生し、家屋の浸水被害が出ています。

常浪川ダム計画

1972年に建設事業が開始された常浪川ダムですが、1999年度に発電事業者が事業から撤退したため、治水ダム事業に変更されました。その後、事業は継続されたものの、2011年度に中止が決定しました。

ダム事業に伴い、室谷、鎌取地区の44戸が移転しました。室谷地区では、住宅団地が整備され、移転後も青年会などのコミュニティが維持されています。

関連情報

日本の川一覧#新潟県
新潟県新潟地域振興局 津川地区振興事務所
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阿賀野川圏域河川整備計画
新潟県土木部 河川整備課
国の政策転換に基づくダム建設事業の検証について
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