常磐村 (愛知県愛知郡)

常磐村の歴史と地理

常磐村（ときわむら）は、愛知県愛知郡に位置していた村であり、現在の名古屋市中村区南部や中川区北部にあたります。この村の名称は、かつて存在した松葉村、柳森村、岩塚村の三つの村を組み合わせたものです。松葉村や柳森村は、植物に関連した名前が由来とされ、岩塚村の「岩」から「盤」を「磐」と変えた結果、常磐村としての名称が形成されました。

沿革

常磐村の歴史は、江戸時代末期に遡ります。この時期、この地域は尾張藩領および熱田神宮領に属していました。明治時代に入ると、1878年（明治11年）に小塚村、七女子村、本郷村が合併し、小本村が誕生しました。その後、八ツ屋村と丸米野村が合併して篠原村となります。

1889年（明治22年）10月1日には、小本村、篠原村、四女子村、長良村が一つにまとまり、松葉村が誕生します。同年、高須賀村、八田村、万町村、烏森村が合併し、柳森村が形成されました。さらに、1906年（明治39年）5月10日には、松葉村、柳森村、岩塚村が合併し、常磐村が成立します。

1921年（大正10年）8月22日には、常磐村は名古屋市に編入され、中区の一部となります。その後、1937年（昭和12年）には中区、西区から中村区が、新たに中区、南区から中川区が設立されるなど、地域の境界や構成が変更されました。

現在の地名との関係

常磐村の地域は、当時の名古屋市の境界設定により変化しました。現在の中川区と中村区の境界は、関西本線の線路に沿って設けられています。おおよそですが、旧・松葉村を含む地域や篠原、長良、四女子、小塚、七女子、本郷の地区が中川区にあり、旧・岩塚村及び高須賀、烏森町が中村区に所在しています。

学校教育

常磐村の教育機関としては、常磐村立中村常磐尋常高等小学校が存在していましたが、これは現代の名古屋市立常磐小学校へと継承されています。教育の歴史が、地域の成長を支えてきたことがうかがえます。

交通機関

交通面では、関西本線が利用されていましたが、当時は八田信号所が設けられたものの鉄道駅は存在しませんでした。このため、地域のアクセスや移動手段には制約があったと思われます。

神社・仏閣

宗教的な面では、八剣社、神明社、万念寺などの神社や仏閣が存在し、地域住民の信仰の対象とされていました。これらの施設は、地域の歴史や文化を支える重要な存在です。

その他の情報

なお、愛知郡には常磐村と同一の読みを持つ「常盤村」が1876年から1889年まで存在しており、後に合併して御器所村となり、現在の名古屋市昭和区として知られています。このように、常磐村は名古屋市の歴史の一部として、様々な変遷を経てきた村なのです。

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