平バイパス

平バイパス（たいらバイパス）

平バイパスは、福島県いわき市内を通る国道49号のバイパスであり、国土交通省が直轄管理する指定区間です。いわき市におけるバイパスネットワークの重要な一部を担い、市内の東西を結ぶ幹線道路として機能しています。

概要

このバイパスは、好間町周辺の交通混雑を緩和し、常磐バイパスとの接続を円滑にするために計画されました。全長約8キロメートル、全線4車線で構成されています。名称は、いわき市の一部であり、かつて自治体名でもあった「平」に由来します。

道路諸元

起点：福島県いわき市常磐上矢田町沼平
終点：福島県いわき市好間町北好間
延長：7.7 km
道路規格：第3種第1級
道路幅員：完成25.0 m
車線数：完成4車線
車線幅員：3.5 m
設計速度：80 km/h

計画の背景と目的

国道49号は、いわき市から福島県内の中通り・会津地方を横断し、新潟県新潟市に至る広域幹線道路です。磐越自動車道と並行し、常磐自動車道・東北自動車道・北陸自動車道と連結することで、広域的な物流基盤を構成しています。

しかし、いわき市内においては、磐越道の終点であるいわきJCTが内陸に位置するため、小名浜港などの沿岸部へ向かう車両が国道を頻繁に利用していました。また、国道6号常磐バイパスから常磐道（いわき中央IC）へのアクセス道路としても機能しており、地域住民の生活道路としての利用も多く、交通混雑と安全性の問題、沿線住民の生活環境への影響が懸念されていました。

このような状況を改善するため、いわき市中心市街地を迂回する国道49号のバイパスとして平バイパスが計画されました。全体事業費は2010年時点で420億円を見込んでいます。

歴史

1972年度（昭和47年度）：調査開始
1981年度（昭和56年度）：事業化
1988年（昭和63年）3月：2工区および3工区が暫定2車線で開通
1995年（平成7年）9月：1工区が暫定2車線で開通し、全線開通
2017年（平成29年）3月：全線4車線化完了

主な構造物

草木橋
林作こ道橋
上荒川トンネル
上荒川橋
五郎内橋
五郎内トンネル
みまや徳姫跨道橋
内郷高架橋
御台境橋
熊谷橋

道路施設

平バイパスには、以下のような道路施設があります。

スポットパーク好間
道路利用者のための休憩施設。
駐車場、四阿、ベンチ、トイレ、自動販売機が整備されています。

交通量

2015年度の道路交通センサスによると、平日の24時間交通量は以下の通りです。

いわき市草木台：33,067台
いわき市好間町中好間：17,006台
いわき市好間町北好間：11,131台

今後の展望

国道49号では、平バイパスに続く区間として、いわき中央IC交差点以西で「北好間改良」が事業化されており、安全性と定時性の向上による地域連携の強化が期待されています。

参考文献

国土交通省 東北地方整備局 磐城国道事務所

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