平井三男

平井三男は、1884年（明治17年）1月26日に熊本県で生まれ、1945年（昭和20年）3月24日に生涯を閉じました。彼は、日本の官僚として、特に朝鮮総督府で重要な役割を果たし、後に民政党系の官選県知事も務めた人物です。

生い立ちと学歴
平井三男は、士族の家庭に生まれ、第五高等学校を首席で卒業するという優秀な学歴を持ちます。その後、1909年に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業し、大学院に進学しました。1910年には文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

朝鮮総督府での活動
平井は、朝鮮総督府に入り、警部としてそのキャリアをスタートさせました。その後、総督府道事務官、全羅北道財務部長、総督府事務官、度司部司税局専売課長、仁川税関長など、様々な要職を歴任しました。さらに、平安南道内務部長兼特殊財産管理局事務官、朝鮮総督府殖産局商工課長、同学務局学務課長兼鉄道局理事、京城法学専門学校校長など、幅広い分野で活躍しました。これらの職務を通じて、朝鮮における行政や経済、教育など多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。

県知事としての活動
1929年7月、濱口内閣の成立に伴い、平井は青森県知事に就任しました。県知事として、県政の運営に携わりましたが、林檎県営検査の実施を巡り、予算不足から検査廃止を決定したため、県内で反対運動が起こるという事態も経験しました。その後、1930年8月には山口県知事に転任し、失業対策や青年の活動促進に取り組みました。しかし、1931年12月には知事を休職し、翌1932年1月には依願免本官となり、官僚としてのキャリアを終えました。

晩年と著作
退官後は、戦時中に陸軍省専任嘱託などを務めましたが、病のためこの世を去りました。平井は、官僚としての活動の傍ら、著作活動も行っており、『世界より朝鮮へ』（1927年）や、池田秀雄との共著『朝鮮読本』（1929年）などの書籍を出版しています。これらの著作は、当時の朝鮮の状況や社会情勢を理解する上で重要な資料となっています。

平井三男は、朝鮮総督府での要職や県知事を歴任し、日本の行政に貢献しました。彼の足跡は、日本の近代史における官僚の役割や、朝鮮統治の一側面を理解する上で重要な意味を持っています。

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