濱口内閣

濱口内閣の概要

濱口内閣（はまぐちないかく）は、立憲民政党の濱口雄幸が第27代内閣総理大臣に就任し、1929年7月から1931年4月まで続いた日本の内閣です。この内閣の成立は、前任の田中義一内閣の失敗によるもので、憲政の常道に則り、当時の野党第一党である立憲民政党が政権を握る形となりました。

内閣の成立と主要な閣僚

濱口内閣は、1929年7月2日に発足しました。その日、さまざまな閣僚が任命され、国務大臣、内閣書記官長、法制局長官などが選ばれました。在職期間は652日で、閣僚の顔ぶれはその後も重要な政策決定に影響を及ぼしました。

内閣の動きと政治状況

この内閣は、少数与党でスタートし、同年の1月21日に衆議院を解散し、2月20日に行われた第17回衆議院議員総選挙で勝利を収めました。政権運営は安定を見せるかに思えましたが、経済政策において直面する困難が味方となり、特に世界恐慌の影響を受けることになります。

主要な政策と影響

井上財政と金解禁

内閣が取り組んだ井上財政により、第一次世界大戦の影響で続いていた金の輸出禁止と金本位制の停止が続けられました。1930年1月には金本位制への復帰、いわゆる金解禁が行われ、為替の安定を目指しました。しかし同年10月に世界恐慌が発生し、日本経済は大きな打撃を受けます。さらにその後のデフレ政策が景気の悪化を加速させました。

ロンドン条約と海軍の動向

また、1930年1月にはロンドンで海軍の軍縮会議が開催され、列強各国との交渉が行われました。日本の海軍は対英米比率を69.75%とすることで合意しますが、内部では認識の対立が生じ、軍内部における派閥抗争の激化を招きました。条約の批准段階では、野党からの強い批判を受けて政府は糾弾され、最終的に枢密院は政府の態度に折れ、条約を批准しました。

政治的混乱と辞職

しかし、1931年11月には濱口首相が襲撃を受け、病に倒れました。その後、病状が改善されない中で、政務の復帰を試みますが、政治的な問題が生じます。特に、幣原外相の発言は大きな波紋を呼び起こし、最終的に濱口首相は4月に辞任を決意し、若槻礼次郎に政権を譲ります。

濱口首相の死

内閣の崩壊とともに、濱口首相はその後も療養を続けましたが、1931年8月26日、彼は亡くなりました。濱口内閣は、短期間ではありましたが、複雑な時代背景の中で多くの政策を展開し、特に経済や軍事に関する重要な議論を行った時代として記憶されています。

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