平井常次郎

平井常次郎氏は、1898年6月13日、大阪市に生まれました。1919年、大阪高等商業学校を卒業後、朝日新聞大阪本社に入社。持ち前の能力と才能で、社会部長や編集局次長といった要職を歴任し、新聞界で頭角を現します。

1951年3月、平井氏は朝日放送へ転身し、専務取締役に就任。経営手腕を発揮し、1959年6月には副社長に昇進。そして、1968年6月には、朝日放送社長に就任します。社長在任期間中は、同社の発展に大きく貢献しました。1971年5月に社長を退任した後も、1979年6月から1983年6月まで会長職を務め、長年にわたって朝日放送を支え続けました。

平井氏の功績は、経営のみに留まりません。日伊間の親善交流にも尽力したのです。大阪日伊協会会長として、両国の友好関係発展に多大な貢献を果たしました。その功績が認められ、1974年にはイタリア政府から勲二等イタリア政府功労章を受章する栄誉に浴しました。

日本国内でも数々の栄誉を受けています。1964年には藍綬褒章、1970年には勲二等瑞宝章を受章。これらの栄誉は、平井氏の社会貢献と国家的功績を証明するものです。

平井常次郎氏は、多方面にわたる才能と実績を持つ実業家でした。経営者として企業の発展に貢献するとともに、日伊友好親善の架け橋となり、社会に多大な貢献を果たしました。

その多忙な日々の中でも、平井氏は自身の経験や考えを記した著書『マイクのたわごと』を執筆。自身の言葉で、人生や仕事、社会への思いを綴っています。この著作は、平井常次郎氏の人物像を知る上で貴重な資料となっています。

1989年11月12日、平井常次郎氏は肺炎のため、大阪市の国立大阪病院で91歳の人生に幕を閉じました。その死は、多くの人々に惜しまれ、日本の放送界、そして日伊親善関係者らに大きな喪失感を与えました。しかし、平井常次郎氏の功績は、人々の記憶の中に長く刻まれ続けることでしょう。彼の生涯は、日本のメディア史、そして日伊友好関係史において重要な一頁を飾るものとして、後世に語り継がれていくに違いありません。

平井常次郎氏の波乱に満ちた、そして成功に満ちた生涯は、多くの後進たちに勇気と希望を与え続けることでしょう。彼の生き様は、日本の実業家の歴史の中で、永遠に輝き続ける星となるでしょう。彼の功績は、単なる経営者のそれにとどまらず、社会貢献、国際交流という、より大きな文脈の中で評価されるべきでしょう。平井常次郎氏の物語は、これからも多くの人々に、夢と希望、そして挑戦の大切さを教えてくれることでしょう。

もう一度検索