平信徒

平信徒とは

平信徒（ひらしんと、へいしんと、希: λαϊκός、羅: laicus、仏: laïc、英: layman）とは、ユダヤ教やキリスト教などの宗教において、特別な職務を持つ聖職者ではない一般の信徒のことを指します。仏教における在家（ざいけ）の信者に相当する概念です。

語源

平信徒という言葉の語源は、ギリシア語で「民衆」を意味する「ラオス」（希: λαός）の形容詞形である「ライコス」（希: λαϊκός）に由来します。この言葉は、聖書の中でも一般の人々を指す言葉として用いられていました。

歴史

キリスト教の初期においては、信徒は皆平等であり、特別な聖職者という身分は存在しませんでした。しかし、教会の組織が発展するにつれて、教会の運営や儀式を司る専門的な役割を持つ聖職者が生まれてきました。これにより、聖職者とそれ以外の信徒という区別が生じ、後者が平信徒と呼ばれるようになりました。

平信徒は、教会の活動を支える重要な存在です。祈りや礼拝への参加はもちろん、教会の運営や社会活動にも積極的に関わります。また、信仰生活を送る上での模範となるような生き方をすることも求められます。

各宗教における平信徒

ユダヤ教やキリスト教以外にも、多くの宗教において、聖職者と一般信徒という区別が見られます。それぞれの宗教によって、平信徒の役割や位置づけは異なりますが、共通しているのは、宗教共同体の重要な構成員であるということです。

関連概念

世俗主義（ライシテ）: 宗教と政治を分離する思想のこと。フランスのライシテは、宗教の自由を保障しつつ、公的な領域における宗教の影響を排除することを目的としています。平信徒の概念は、世俗主義の議論においても重要な意味を持ちます。

在家: 仏教における、出家していない一般の信者のこと。平信徒とほぼ同じ意味で用いられます。

* 聖職者: 特定の宗教において、特別な職務を持つ人のこと。キリスト教では、司祭や牧師などがこれにあたります。聖職者は、教会の運営や儀式を司る役割を担います。

まとめ

平信徒は、宗教共同体において、聖職者と並んで重要な役割を担う存在です。信仰生活を実践し、教会の活動を支え、社会に貢献するなど、その活動は多岐にわたります。平信徒の存在があってこそ、宗教は社会の中で機能し、人々の生活に根付くことができると言えるでしょう。

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