平和相互銀行

平和相互銀行の歴史

平和相互銀行（へいわそうごぎんこう）は、1949年に設立された相互銀行で、1986年に住友[[銀行]]に吸収合併されるまでの約37年間、さまざまな経営活動と問題を抱えていました。創業者である小宮山英蔵が起業した背景や、その後の銀行の成り立ち、経営の混乱、そして最終的な合併に至るプロセスについて見ていきます。

1. 創業と成長の過程

平和相互銀行の起源は、東京木挽町にて鉄屑屋を営んでいた小宮山英蔵に遡ります。彼はその事業からの利益を元手に殖産会社を買収し、1949年6月に「日本殖産」を設立しました。その後、大日殖産を吸収合併し、社名を「平和貯蓄殖産無尽」に変更して日掛け金融を開始。その後、相互銀行法の施行に伴って、平和相互銀行へと転換しました。

銀行が設立された当初、平和相銀は夜間営業を行うことで顧客に便利さを提供し、多くの水商売の顧客に支持されました。また、首都圏を中心に店舗網を拡充し、ATMシステムを他銀行と提携させるなど、財務面でも成功を収めました。その結果、店舗数103を超える規模となり、資金量は1兆1500億円にまで達しました。相互銀行業界では規模的にも上位の位置を占める存在となりました。

2. 経営の乱脈と問題

しかし、経営面では英蔵が私的利益を追求し、関連会社を次々と設立・買収したことが問題視されました。総武流山電鉄や西鉄ライオンズの主なスポンサーとなるなど、「小宮山コンツェルン」とも呼ばれる多くのグループ企業が形成されていきました。これは金融界で「闇の紳士の貯金箱」との評判を呼ぶほどでした。

1979年に英蔵が死去すると、経営陣の間で後継者を巡る激しい内紛が起こりました。特に、英蔵の長男の英一と娘婿の池田の対立は熾烈を極めました。池田を排除した英一も新たな経営陣との対立が起こり、結果的に経営は混乱を極めました。このように、相互銀行が抱える問題が浮き彫りとなり、1980年代初頭には相次ぐ不動産融資問題や不正融資事件が発覚しさらなる経営困難に直面しました。

3. 解体と吸収合併

1985年、住友[[銀行]]が平和相銀の買収を提案し、合併作業が開始されました。この背景には、平和相銀が抱えていた多額の不良債権が影響していました。特に、検査で約5千億円もの不良債権が発覚し、預金者の不安が募る中、大量の預金流出が発生しました。結果、1986年には平和相互銀行は自主再建を断念し、10月1日に住友[[銀行]]に吸収合併される運命を迎えました。

4. 合併後の影響

合併後、旧平和相銀の職員はほぼ全員が解雇されると噂されましたが、実際には多くの職員が残りました。住友[[銀行]]側では、旧平和相銀の店舗の商業的な広がりや効率の悪さを見直し、さまざまな店舗を整理廃止しました。加えて、平和相銀の夜間営業などの独自のビジネススタイルが非効率として問題視され、銀行としての運営は大きな変化を余儀なくされました。

合併後、旧平和相銀の本店は長い間、住友銀関連で利用された後、解体され新しいビルが建設されました。平和相互銀行は、その歴史を通じて波乱に満ちた経営と顧客の支持を受けた銀行であり、その教訓は今後の金融機関にとっても貴重な資料となるでしょう。

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