平安伸銅工業

平安伸銅工業株式会社の概要

平安伸銅工業株式会社（へいあんしんどうこうぎょうかぶしきがいしゃ）は、日本の大阪府大阪市に本社を置く日用品メーカーです。1952年に誕生したこの企業は、当初は工作機械の加工やアルミサッシの製作を主な事業としていましたが、現在では「突っ張り棒」といった収納用品の製造・販売を中心に活動しています。特に、突っ張り棒については国内でのシェアがトップクラスを誇ります。

突っ張り棒の歴史と進化

平安伸銅工業の突っ張り棒の歴史は、シャワーカーテンを吊るすために使われていたテンションポールをヒントにしたことから始まります。創業社長の発案により改良が加えられ、消費者にとって使いやすい形の突っ張り棒として誕生しました。日本の住宅事情にうまく適応し、販売開始から短期間で50億円に達する売上を記録しました。しかし、その後は競合他社の参入が相次ぎ、安価な類似品が市場に出回るようになったため、業績は厳しい状況に陥りました。

この危機を乗り越えるため、平安伸銅工業は新たな戦略を打ち出しました。それは、インテリアデザインを取り入れた商品開発です。これにより、他社との差別化に成功し、業績は回復しました。

会社の沿革

平安伸銅工業は、以下のような歴史を歩んできました：

• - 1952年：設立、当初は淀川区三津屋南三丁目にて工作機械の加工を行っていた。
• - 1975年：日用品への事業転換を果たし、突っ張り棒を発売。
• - 1977年：法人化。
• - 2003年：香港に平安有限公司を設立。
• - 2016年：DIYパーツブランド「LABRICO」を開始。
• - 2018年：経済産業省の補助事業「BrandLand JAPAN」に採択される。
• - 2020年：地域未来牽引企業に選定。

事業所と主な商品

平安伸銅工業の本社は大阪市西区江戸堀にあり、東京支社や岐阜県には物流センターも設置されています。主な取り扱い商品には、以下のものがあります：

• - HEIAN SHINDO: 突っ張り棒や耐震用家具固定突っ張り棒、突っ張り棚など。
• - LABRICO: 2×4材を使った壁面収納アイテム。
• - DRAW A LINE: クリエイティブユニット「TENT」とのコラボブランド。
• - AIR SHELF: 突っ張り機構を使用した壁を傷付けない棚。

受賞歴

平安伸銅工業は、そのデザインや事業活動が評価され、数々の受賞歴があります。2017年にはドイツのred dot design awardを受賞、2020年には「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれました。2021年には、竹内香予子氏が「輝く女性賞」を受賞し、2023年にはD&I Awardにおいて大賞が与えられ、同年に知財功労賞も受賞しています。

エピソードとPR活動

また、「突っ張り棒」という名称は、かつて「テンションポール」と呼ばれていた際にわかりにくかったため、従業員がアイディアを出し合って命名されたものです。同社はLABRICOブランドのPRとして1970年代の特撮ムービー風の動画を製作し、YouTubeに公開。その映像制作には映像作家やコピーライターが参加し、社長自らも出演しているというユニークな試みを行っています。

結論

平安伸銅工業株式会社は、強いブランドを築き上げ、競争の激しい市場で確固たる地位を維持しています。これからも消費者のニーズに応えつつ、新しい挑戦を続けていくことが期待されます。

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