平岩外四

平岩外四について

平岩外四（ひらいわ がいし）は、1914年8月31日に愛知県常滑市で生まれ、2007年5月22日に亡くなるまで日本の財界で重要な役割を果たしました。東京電力の会長として知られる彼は、第7代日本経済団体連合会（経団連）会長としても名を馳せました。1990年から1994年までの間、経団連の会長を務め、その間に企業のモラル確立に向けた取り組みを行いました。

生い立ちと教育

平岩は6歳のときに父を亡くし、母親に育てられました。彼の学びへの熱意は非常に強く、母から与えられた夏目漱石全集が彼の文学青年としての礎となりました。周囲から大学進学を反対される中、母親の強い意志により、旧制第八高等学校を経て東京帝国大学法学部に進学します。1939年に卒業後、東京電灯に入社しましたが、入社前までその企業について知識はなく、会社の規模や影響力を考慮することなく決断しました。

戦争とその後の人生

1941年、平岩は太平洋戦争に召集され、ニューギニア戦線で過酷な戦闘体験をしました。彼が所属していた部隊の中で生存者はわずか7名という厳しい状況でした。この経験は彼の人生観に大きな影響を与え、平岩は終戦後東京電力に戻り、新たな道を歩み始めました。

経営者としてのキャリア

会社に復帰した後、平岩は経営者としての道を進むことになります。1976年に東京電力の社長に就任し、その後1984年に会長へと昇進しました。在任中、電気事業連合会や国家公安委員会など様々な役職を兼任し、日本の経済界に多大な貢献をしました。また、1990年に経団連会長に就任し、企業倫理の確立に向けた企業行動憲章の制定など、多くの改革に取り組みました。

特に、バブル経済崩壊後の深刻な景気低迷に対して、対日直接投資の拡大や輸入促進に関する提言を行うなど、革新的な視点で経済界を牽引しました。また、アジア経済の一体化を目指し、「アジア隣人会議」を開催するなど、国際的な取り組みにも積極的でした。

財界活動と影響

経団連会長として、邦銀の不良債権処理に関しても積極的に発言し、自己の信念を貫きました。1993年には経済改革研究会の座長として、「平岩リポート」と称される政策提言を発表し、規制改革の推進に注力しました。彼のリーダーシップは企業界から高く評価され続けました。

晩年と著作

平岩は生涯にわたっての読書家としても知られ、彼の膨大な書籍コレクションは東京電力に寄贈され、「平岩文庫」として管理されています。最晩年には城山三郎との共著で『人生に二度読む本』を出版するなど、彼の知識と経験を次世代に伝えようとする姿勢が見られました。また、名誉市民の称号を受けるなど、地域においてもその存在は特別な意味を持つものでした。

平岩外四は、企業経営者としてだけでなく、文化人としても多くの影響を与えました。92歳という長い人生を通じ、彼は日本の経済界、文化界に多大な貢献をし、その功績は今なお残り続けています。

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