平常長

平常長（たいらのつねなが）について

平常長は、平安時代後期の武士であり、武蔵国（現在の埼玉県、東京都、神奈川県の一部を含む地域）を本拠とした武士団、武蔵武士の一員でした。万寿元年（1024年）に平常将の子として生まれました。

前九年の役・後三年の役での活躍

平常長は、前九年の役（1051年 - 1062年）と後三年の役（1083年 - 1087年）において、源頼義・義家父子に従い、その軍事的な才能を発揮し、数々の戦功を立てたとされています。これらの戦役は、当時の朝廷や武士社会の勢力図を大きく変えるものであり、平常長の活躍もまた、その後の歴史に大きな影響を与えました。

上総国・下総国への進出

戦後、平常長は上総国大椎（現在の大網白里市付近）に館を構え、勢力を拡大しました。さらに、下総国千葉郷（現在の千葉市付近）に進出し、この地を拠点として「千葉大夫」と称するようになりました。このことから、後の千葉氏の発展に大きな役割を果たしたと考えられています。

房総平氏の祖として

嘉承3年（1108年）に亡くなったとされていますが、その多くの子たちは房総平氏の諸氏を形成し、繁栄しました。特に、次男の平常兼は千葉氏の祖となり、五男の常晴は上総氏の祖として、それぞれが発展を遂げました。

系譜

父：平常将
母：中原師直女（可能性）
妻：不詳
嫡男：平常家（佐賀常家）
男子：平常兼（千葉常兼）
男子：平常房（鴨根常房）
男子：平頼常（原頼常）
男子：平常晴（相馬常晴）
男子：平常義（村澤常義）
男子：平常遠（安西常遠）
男子：平常継（大須賀常継）
男子：平常盛（次浦常盛）
男子：平常門（埴生常門）
男子：平常重

平常長の血筋は、房総地方を中心に広がり、後の時代までその影響力を保ち続けました。彼の子孫たちは、それぞれの地域で勢力を築き、武士としての地位を確立しました。

補足

平常長の生涯は、平安時代末期の動乱期における武士の台頭を象徴するものであり、その足跡は、後の世に語り継がれることとなりました。

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