平常晴

平常晴（たいら の つねはる）とは

平常晴は、平安時代中期に活躍した武士で、上総氏の二代目当主です。上総氏の基盤を固め、房総平氏の勢力拡大に貢献しました。しかし、実子との不和や養子縁組が、後に房総平氏間の抗争を引き起こす遠因となった人物としても知られています。

生涯

平常晴は、上総氏初代当主・平常長の息子として生まれました。兄弟には、千葉氏の祖である常兼がいます。平常晴は、下総国相馬郡（現在の茨城県南部、千葉県北西部）を拠点とし、「相馬五郎」と称しました。

長兄の常家が男子を儲けることなく亡くなったため、平常晴は養子として上総氏の家督を継承しました。これにより、上総権介の地位を得て、上総氏の二代目当主となりました。一般的には、平常晴を上総氏の初代当主とする説が有力です。

上総氏の当主となった平常晴ですが、実子の常澄との関係は良好ではなかったようです。そのため、大治5年（1130年）6月には、兄・常兼の三男である千葉常重を養子として迎え、家督を譲りました。この家督相続が、後に房総平氏一族間の抗争の遠因となります。

系譜

父：平常長
母：不詳
妻：不詳
男子：平長実（戸気長実）
男子：平常澄（佐賀常澄）
養子：千葉常重

平常晴の人物像

平常晴は、上総氏の基盤を固めた人物として評価されています。また、房総平氏の勢力拡大にも貢献しましたが、実子との不和や養子縁組といった、一族内の対立の火種も生み出しました。彼の行動が、後の房総平氏の歴史に大きな影響を与えたことは間違いありません。平常晴は、武士としての才覚を持ちながらも、一族の統率という点では課題を残した人物と言えるでしょう。

もう一度検索