平成15年台風第4号

平成15年台風第4号（リンファ）

平成15年台風第4号は、2003年5月に発生し、日本の四国地方に上陸した台風で、アジア名「リンファ（Linfa）」として知られています。この台風は、もともと5月25日15時にルソン島の西海上で熱帯低気圧として発生し、その後、27日にはルソン島に上陸しました。一時的に勢力を弱めましたが、再び発達して30日未明には沖縄の南海上で最盛期を迎えました。

台風の経路と影響

この台風は、南シナ海で台風4号としての影響を及ぼし、その後、北北東の方向へ進んでいきました。30日には沖縄南海上で強い勢力を持つに至り、31日には愛媛県宇和島市に上陸しました。この日はまた、台風から温帯低気圧へと変わり、雨を引き起こしながら北東に進んでいきました。最終的には、6月2日にオホーツク海へと達し、4日にその活動を終えました。

上陸した日は、5月31日で、この年の日本への台風上陸は38年ぶりであり、観測史上3番目に早い上陸とされました。また、四国地方への上陸としても最も早いものでした。

被害状況

この台風の影響で、西日本を中心に大雨が降り、特に九州や四国地方では、宮崎県北方町で287mm、高知県佐川町で262mmなど、記録的な降水量を記録しました。また、三重県御浜町では1時間あたり93mmの降水量を観測しました。その他、三重県尾鷲市では464mm、静岡県中伊豆町では296mm、徳島県上勝町では238mmと、各地で猛烈な雨が降り注ぎました。紀伊半島の一部でも、降水量は300mmを超えました。

さらには、室戸岬での最大風速は33.3m/s、最大瞬間風速は39.0m/sに達し、西日本の広範囲で強風が観測されました。6月1日になると、台風が温帯低気圧に変わった後の影響で、中部地方や北日本でも雨が降り、河川が増水し、残念ながら徳島県では1名が流されて亡くなるという悲劇が発生しました。

降水量が多かった高知県、徳島県、三重県、神奈川県を中心に、土砂災害や住宅の浸水被害も見られました。特に、山崩れや崖崩れが相次ぎ、住民たちの生活が脅かされました。その他、交通機関の障害や農作物への被害も深刻な問題として報告されています。

このように、平成15年台風第4号「リンファ」は、多くの地域に深刻な影響を与え、記憶に残る自然災害となりました。

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