平成17年台風第19号

平成17年台風第19号（ロンワン）

平成17年台風第19号、アジア名「ロンワン（Longwang）」は、2005年9月に発生し、台湾と中国に壊滅的な被害をもたらした大型の台風です。台風19号は、マリアナ諸島近海で発生し、日本時間の9月26日午前9時に命名されました。この名前は、中国の命名によるもので「龍の王」を意味し、フィリピンでは「マリン（Maring）」と呼ばれました。

台風は、日本の大東諸島の南を進みながら、その勢力を増していきました。台風は台湾に迫り、10月2日午前6時15分頃に花蓮県に上陸しました。その後、台湾を横断しながら進行し、台湾海峡を越えて中国福建省に再度上陸し、最終的には消滅しました。

この台風の影響は、特に台湾と中国において深刻でした。特に沖縄県石垣市では、約90世帯が停電し、4人が負傷する事故もありました。沖縄での航空便の欠航は28便に及び、那覇と大東島間を結ぶ定期船も運航が延期されました。また、うるま市で予定されていた「第二十回全島獅子舞フェスティバル」も、台風の影響で10月9日に延期されることとなりました。

台湾では、台風の上陸により交通機関がほぼ完全に麻痺し、10月1日から2日にかけて、宜蘭県で307mm、花蓮県で220mm、台中県で134mmの降雨量が記録されました。これにより、37人が負傷し、76万世帯が停電するという事態になりました。花蓮では、最大瞬間風速が64.9m/sに達したという報告もあり、風の強さを物語っています。

さらに、中国の福建省では、気象台が台風の接近を受けて「重大気象災害預警応急預案」を発令し、特に厦門市では厳重な警戒が促され、航路が次々に欠航となりました。この台風により、台湾で2人、中国で147人と、合計149人の命が失われる悲劇が起こりました。

特筆すべきは、アジア名「ロンワン」がこの台風限りで使用中止となり、次の台風からは「ハイクイ（Haikui）」が新たに採用されることが決まった点です。このような台風の命名の見直しは、台風の影響とその発生の重要性を反映したものと言えるでしょう。

まとめ

平成17年台風第19号は、その威力の強さと影響の広範さから、多くの人々に悲劇をもたらしました。自然災害がもたらす影響は計り知れず、その備えや対策がいかに重要であるかを再認識させられる事例となりました。

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