平成23年台風第12号

平成23年台風第12号



平成23年台風第12号（アジア名：タラス）は、2011年8月25日にマリアナ諸島付近で発生した大型の台風です。この台風による豪雨は紀伊半島を中心に甚大な被害をもたらし、「紀伊半島豪雨」として記憶されています。

概要



台風は8月25日に発生後、北上を始めましたが、亜熱帯高圧帯や太平洋高気圧の影響で進路を失い、小笠原諸島近海で停滞しました。その後、四国地方に上陸し、岡山県や鳥取県を進みながら、日本海へと抜けて温帯低気圧に変わりました。台風が大型で動きが遅かった影響で、西日本から北日本にかけて非常に湿った空気が流入し、広範囲で記録的な降雨が観測されました。

特に、紀伊半島では降水量が急増し、奈良県上北山村では72時間の雨量が過去の記録を大幅に上回る1,652.5mmに達しました。この時、総降水量は1,808.5mmにもなり、一部地域で2,000mmを超える降水が記録されました。

進路の経過




気象状況



台風による影響は大雨に留まらず、暴風も広範囲で観測されました。最大瞬間風速は高知県室戸市で35.7m/sに達し、記録的なイベントとなったことが分かります。特に土砂災害や河川の氾濫が多発し、全国で98人の死者・行方不明者が出る悲劇が襲いました。

被害の詳細



1. 土砂災害: 大雨により、関東から紀伊半島にかけて多くの場所で土砂崩れが発生しました。和歌山県田辺市では、土砂崩れにより高校生ら5人が亡くなり、さらに他の地域でも多数の死者が報告されました。
2. 河川の氾濫: 特に奈良県や和歌山県では、増水した川に民家が流される事態が発生し、死者が出るなどの大きな被害を受けました。
3. 交通の断絶: 多くの道が倒木や土砂崩れ、浸水により通行止めとなり、さらには空の便にも多大な影響が出ました。数百便の欠航が発生し、鉄道も運休や運行調整が続きました。

経過と対応



台風が過ぎ去った後、政府は「非常災害対策本部」を設置し、被害状況の調査と復旧作業に着手しました。地域住民に対しては避難勧告が出され、一時的に指定された警戒区域からの避難が進められました。特に物資の配布や復旧支援が必要とされ、多くのボランティアや機関が動き出しました。

まとめ



平成23年台風第12号は、その年の日本に深刻な災害をもたらしました。特に紀伊半島での大雨とそれに伴う土砂災害、河川の氾濫によるヒトやインフラへの影響は非常に大規模でした。この教訓を元に、今後の災害対策の強化が求められています。

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