平成24年台風第15号

平成24年台風第15号（ボラヴェン）

平成24年台風第15号、通称「ボラヴェン」は2012年8月20日に発生した台風です。この台風は、8月17日にグアム島の西方海域で形成が始まり、19日に熱帯低気圧に成長しました。その後、20日15時にマリアナ諸島の北緯17度25分・東経141度25分において台風に昇格し、アジア名「ボラヴェン」として知られることになりました。この名前は、ラオスのボーラウェン高原に由来しています。

台風は西北に進むにつれ、その規模を拡大させ、大型で非常に強力な台風となりました。特に25日には、沖縄気象台が「近年にない記録的な風雨が予想される」との警告を出し、関係機関も最大級の警戒を呼びかけました。26日には台風が沖縄本島に接近し、中心気圧910ヘクトパスカル、最大瞬間風速70メートルを記録しました。同日21時頃には沖縄本島を通過した後、27日には若干の勢力減退を見せつつも黄海を北上し、最終的には北朝鮮に上陸しました。北朝鮮上陸時の気圧は961.9ヘクトパスカルであり、これは朝鮮半島における上陸台風の中でも第7位の強さに相当します。その後、台風は温帯低気圧に変わり、29日には中国東北部で完全に消滅しました。

台風の影響

日本方面の影響

台風による被害は日本各地にも及びました。特に鹿児島県では1名の死者が出たほか、沖縄県では6名、鹿児島県で1名が負傷しました。那覇空港では、25日から台風の接近による欠航が相次ぎ、26日には全便が欠航となりました。また、沖縄県内では源河川が氾濫し、各地で冠水被害が発生しました。強風により、多くの建物や街路樹が倒壊し、特に鹿児島県奄美地方においては全半壊の建物が確認され、27日には鹿児島空港と奄美地方を結ぶ旅客便も全便欠航となりました。長崎県五島市では護岸が26メートルにわたって崩壊し、さらなる被害の拡大となりました。

韓国方面の影響

韓国でも大きな災害が発生しました。国内での死者は15人に上り、済州島沖で操業していた中国漁船2隻が転覆し、9人の死者と6人の行方不明者が出ました。韓国全域で警報が発令され、旅行業界にも影響を及ぼし、旅客機やフェリーが欠航。170万件以上の停電が報告されています。また、8月20日から実施されていた米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」も、一時中断を余儀なくされました。

北朝鮮の状況

北朝鮮でもこの台風による影響が大きく、洪水などにより100人以上の死者が出たとされています。

このように、平成24年台風第15号「ボラヴェン」は、日本、韓国、北朝鮮で多大な被害を引き起こしました。台風の勢力や進路に対する警戒は、今後も引き続き重要な課題です。

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