黄海

黄海についての詳細

黄海（こうかい）は、中国大陸と朝鮮半島の間に広がる海域で、海の色が黄河から流れ込む黄土によって変わることからこの名が付けられました。フランスの地図製作者ダンヴィルによって1737年に「黄海」と表記されて以来、国際的にも広く知られるようになりました。

領域と政治的背景

黄海は特に韓国と北朝鮮の間の緊張が高く、第二次世界大戦以降、海上に北方限界線が設定されています。この線は南北間の実質的な国境として機能していますが、北朝鮮はこれを拒否し、独自に「朝鮮西海海上軍事境界線」を定めています。1999年以降、この海域では第1延坪海戦、第2延坪海戦、延坪島砲撃事件など、数回にわたり軍事衝突が発生しています。これらの事件は南北間の対立をさらに深める要因となっています。

中韓間でも問題が生じています。韓国が一方的に設定した李承晩ラインにより、中国漁船が公海で操業する際に拿捕される事例が相次ぎ、国際法上の慣例を軽視した行為として非難されています。また、領有権を巡る争いも続いており、蘇岩礁や可居礁についての対立が顕在化しています。さらに、中国漁船が韓国側水域に侵入することで、両国の関係が緊迫化しています。2018年には韓国と北朝鮮が「東海と黄海の両地区」の共同開発に合意したと報じられています。

地理的特徴

黄海は広義には太平洋の一部として位置づけられ、東シナ[[海]]とも関連性があります。北西側は山東半島と遼東半島の間の渤海海峡を通じて渤海と接しています。また、北東には遼東半島と朝鮮半島の間に西朝鮮湾が広がり、ここに鴨緑江が河口を形成しています。

水深は平均44メートルと浅く、大陸棚が広がる特性を持ちます。北は遼東半島から南は揚子江河口までにかけての広がりを見せ、長い歴史の中で底引き網漁が盛んに行われてきました。特に済州島付近では豊かな漁場が形成されていました。

最近では中華人民共和国からの排水による海洋汚染が深刻な問題とされており、自然環境への影響が懸念されています。近年の経済成長に伴い、漁業資源の管理や海洋環境の保護がさらに重要な課題となっています。

黄海は地域の地理、政治、環境の複雑な側面を有しており、これからの推移を見守ることが必要です。

もう一度検索