平成26年台風第12号

平成26年台風第12号（Nakri）

平成26年に発生した台風第12号は、アジア名がNakri（意味は花の名前）であり、カンボジアによって命名されたものです。2014年の7月30日に台風に成長し、多大な影響をもたらしました。

台風の発生

この台風の形成は7月19日に始まりました。最初はグアムの南東で熱帯低気圧として発生し、その後24日にパラオの東で低圧部になり、26日には熱帯低気圧に成長しました。この際、熱帯低気圧番号12Wが与えられました。その後、台風はフィリピンの監視エリアに入った29日にフィリピン名のインダイ（Inday）が付けられました。

台風12号は7月30日の早朝3時（UTC29日18時）に、フィリピンの東海上で台風に昇格し、アジア名のナクリー（Nakri）が正式に付与されました。以降、台風はフィリピンの東の海上を北上し、31日から8月1日にかけて南西諸島にいよいよ接近しました。

台風の進路と強さ

台風12号は7月30日の午後6時に沖縄の南で大型の台風となりました。8月1日の午前3時には中心気圧980hPa、最大風速は25 m/sに達し、同日の午前9時には最大風速が30 m/sに増加しました。

その後、台風は東シナ海を北上し、3日には韓国の近海に接近しましたが、4日の午前3時（UTC3日18時）には熱帯低気圧に変わりました。

気象状況と降雨

南から流れ込む暖かく湿った空気の影響で、西日本では大気の状態が不安定になり、四国や九州、紀伊半島では多くの場所で大雨となりました。特に高知県では、降り始めからの雨量が1000ミリを超える地点もありました。

1時間、24時間、48時間雨量

• - 1時間雨量

- 高知県香美市（繁藤）: 81.0ミリ
- 徳島県海部郡海陽町（海陽）: 87.0ミリ

• - 24時間雨量

- 高知県高岡郡佐川町（佐川）: 606.5ミリ
- 高知県長岡郡本山町（本山）: 563.0ミリ

• - 48時間雨量

- 高知県香美市（繁藤）: 1027.5ミリ
- 高知県長岡郡本山町（本山）: 908.0ミリ
- 和歌山県吉野郡串本町（潮岬）: 550.5ミリ

これらのデータは、いずれも観測開始以来の最高値を記録しました。

影響と被害

日本では、台風の接近によって大雨が続き、特に高知県では1,000ミリ以上の降水量が記録されました。多くの避難勧告が出され、約24万世帯・約50万人に避難が呼びかけられました。交通機関、特に鉄道では運行休止となった路線もありました。

韓国でも台風の影響を受け、南部では大雨が降り、特に済州島では日降水量1,181ミリを観測しました。この結果、韓国全土での死者は10名に達しました。

行政の対応

日本政府は8月3日に情報連絡室を設置し、関係省庁による災害警戒会議を開催しました。また、災害派遣要請も行われるなど、迅速な対応がなされました。特に北海道においては、水防活動が実施されました。

台風第12号は、自然災害の恐ろしさを改めて示すものであり、その影響は今後の防災対策にも影響を与えることでしょう。

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