平成26年台風第16号

平成26年台風第16号「フォンウォン」

平成26年に発生した台風第16号、別名フォンウォン（アジア名）やマリオ（フィリピン名）は、2014年9月18日に台風としての形態を持つようになりました。台風は、初めてグアムの東南海域で熱帯撹乱として形成が始まり、西へ向かって進行しました。台風が熱帯低気圧に成長したのは9月16日のことです。それ以降、フィリピンに接近し、同国の気象機関からフィリピン名の「マリオ」という名前が付けられるに至ります。

台風の進行経路

この台風は9月18日午前3時（協定世界時17日18時）に正式に台風となり、その時点で緯度12度20分、経度129度10分に位置していました。その後、ルソン島の北部を通過し、進路を北へと変えました。台風は21日の午前中に台湾の東岸を進み、同日22時頃には本島の北側の海へと脱出しました。

台風は東シナ海を北上し、9月22日20時35分頃には中国浙江省の寧波市に上陸し、さらには23日午前10時45分に上海市に再上陸しました。台風は北東へ進み、9月24日午前9時（協定世界時24日0時）には温帯低気圧へと変わりました。

各地域における被害状況

フィリピン

台風の影響で、特にルソン島では強風と大雨が襲い、9月19日から20日にかけて1,828の地域で水害が発生しました。約190万人が影響を受け、各地では土砂崩れが起こり、全壊した家屋は2,124棟、一部損傷が8,501棟に上るなどの深刻な被害がありました。台風接近時の20日には、約20万人が避難所に退避し、28日までに18名の死者、16名の負傷者、行方不明者が4名に達しました。経済的な被害額は約34億ペソにのぼります。

台湾

台風の接近により、本島南部と東部では大雨が記録されました。特に屏東県西大武山では914ミリ、台東県金峰では671ミリ、花蓮県の豊南では390ミリの雨が降りました。これにより、視界不良から引き起こされた交通事故で、3名が命を落とす結果となりました。

中華人民共和国

台風は浙江省の寧波市に接近し、22日には黄色警報が発令されました。この影響で、正午時点で25万人以上が避難を余儀なくされ、台風全体で約45万人が影響を受けたとされています。特に上海では、平成元年の台風第12号以来、25年ぶりに台風が上陸したことが大きなニュースとなりました。

日本

台風が温帯低気圧に変わった後も、付随する前線による大雨が日本全国で降り続きました。名古屋市では地下鉄東山線の名古屋駅が冠水し、一部で運行が休止される事態が発生しました。また、名古屋市内では増水した河川に流される事故があり、1名の死亡が確認されています。

結論

平成26年台風第16号「フォンウォン」は、フィリピン、台湾、中国、日本の各地域に深刻な影響を及ぼしました。各国の気象機関や政府の迅速な対応もありましたが、被害は甚大であったことがわかります。今後も、これらの教訓をもとに、災害対策を強化する必要があります。

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