平成26年台風第18号

平成26年台風第18号（Phanfone/Neneng）の概要と影響

平成26年（2014年）9月29日に発生した台風第18号は、アジア名が「Phanfone」、フィリピン名が「Neneng」とされ、ラオスによって命名されました。この台風は、27日に発生した熱帯低気圧が29日午後にトラック諸島近海で台風に変わり、その後急速に強さを増していきました。

発生から進行の経過

台風は、9月29日午後3時（協定世界時29日午前6時）にトラック諸島近海で台風と認定され、10月に入るとさらに勢力を増し、10月2日には中心気圧が945hPa、最大風速が45m/sという「大型で非常に強い台風」に成長しました。

10月3日にはフィリピンに到達し、フィリピンの気象庁により「Neneng」と名付けられました。その後、台風は北西へ進み、10月4日には沖縄県の大東島近くに最接近しました。さらに北上を続け、10月5日には鹿児島県奄美地方に接近し、その後本州南岸を横断。

6日朝になると速度が増し、965hPaの気圧で静岡県浜松市に上陸。その後、静岡県沼津市近くに再度上陸し、関東地方を横断しました。台風は同日の21時に温帯低気圧に変わりました。

気象状況と被害

台風による影響は特に東海地方から関東地方で顕著で、広範囲にわたって大雨が降りました。静岡県では伊豆市天城山で489mm、静岡市葵区鍵穴で434mmの降水量が記録され、三重県から茨城県にかけては200mmを超える降水量となりました。

静岡県と神奈川県では、時間雨量としてそれぞれ87mmと72mmの観測があり、統計開始以来の最高記録を更新しました。また、東海地方から関東地方では強風も発生し、静岡県南伊豆町で32.2m/s、瞬間風速は静岡県御前崎で45.5m/sが観測されました。

これに伴い、約356万人に避難勧告が発出され、その中の約59,000人には避難指示が出されました。台風による被害は深刻で、全壊した住宅は2棟、半壊が4棟、一部破損が244棟、床上・床下浸水が2,625棟に達しました。人的被害も、死者が5名、行方不明者が2名、重軽傷者が72名となっています。

さらに、競技中のF1ドライバー、ジュール・ビアンキがこの台風の影響で鈴鹿サーキットで事故に遭い、後に死亡することとなりました。

まとめ

平成26年台風第18号は、発生から日本本土への上陸までの過程で大きな影響を及ぼし、特に静岡県を中心に甚大な被害をもたらしました。気象的な記録は、多くの人々の記憶に残ることとなりました。

もう一度検索