平成28年の大雪

2016年1月、日本各地で記録的な大雪が発生し、社会に大きな影響を与えました。この雪害は、特に名称が定められていませんが、「平成28年1月集中豪雪」などと呼ばれています。この災害は、複数回にわたる強い冬型の気圧配置によって引き起こされました。

気象状況

1月17日から18日にかけて、南岸低気圧が日本列島の南を進み、関東甲信地方を中心に大雪となりました。その後、19日から20日にかけては、強い冬型の気圧配置となり、日本海側を中心に大雪となり、太平洋側の平野部でも積雪が見られました。さらに23日から25日にかけて再び強い冬型の気圧配置となり、日本海側で記録的な大雪となりました。

特に新潟県長岡市では、1月24日から25日にかけて24時間降雪量が観測史上最大の75cmを記録しました。また、長岡市のアメダスでも、1月24日に最大日降雪量69cmを観測し、観測史上4位となりました。九州や太平洋側でも大雪となり、長崎市では観測史上最大の積雪17cmを記録しました。

気温に関しても、東日本から南西諸島にかけて、1月前半は平年より高かったものの、1月25日前後には大陸からの寒気の影響で記録的な低温となり、74地点で最低気温の記録を更新しました。九州では24日、日中の気温が非常に低く推移し、佐賀市と長崎市で真冬日を記録しました。25日朝には放射冷却も加わり、九州各地で大変な冷え込みとなり、鹿児島県伊佐市大口では観測史上最低の-15.2℃を記録しました。その他、熊本県人吉市で-9.8℃、佐賀市で-6.6℃、鹿児島市で-5.3℃、福岡市で-4.0℃など、各地で数十年ぶり、または観測史上最低の気温を記録しました。南西諸島でも稀な降雪が確認され、24日午後には奄美大島で115年ぶり、久米島で39年ぶり、沖縄本島名護で観測史上初の初雪を観測しました。

最深積雪の記録

各地で記録された主な最深積雪は以下の通りです。

新潟県長岡市 - 95 cm（1月25日）
山梨県河口湖 - 40 cm（1月18日）
山口市 - 11 cm（1月24日）
長崎市 - 17 cm（1月24日、観測史上最大）
鹿児島市 - 14 cm（1月24日、5年ぶり）

交通への影響

記録的な大雪の影響により、新潟県長岡市から見附市にかけての国道8号線では、1月24日夜から26日にかけてスタック車両が多発し、大規模な交通障害が発生しました。この渋滞は「中越大渋滞」または「長岡大渋滞」と呼ばれ、17時間以上車内に閉じ込められた人もいました。この大規模な交通障害の原因としては、並行する関越自動車道や北陸自動車道が長時間通行止めになったため、国道8号に交通が集中したことが挙げられます。

その他の影響

この寒波により、九州各地では水道管破裂が多発し、福岡県大牟田市などで大規模な断水が発生しました。寒波が過ぎ去った後も、その影響は数週間にわたり続きました。また、この悪天候による事故が多発し、負傷者や死者も発生しました。

1月24日に実施された社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の国家試験では、雪の影響で交通機関に乱れが生じ、長崎県や鹿児島県の複数の試験会場で試験開始時間が最大1時間遅れるなどの影響が出ました。

この2016年1月の豪雪災害は、広範囲にわたり、交通、生活、社会活動に大きな混乱をもたらした災害として記憶されることとなりました。

関連事項

2016年1月下旬の東アジアの寒波

外部リンク

気象庁・過去の気象データ検索
気象庁・平成28年1月17日 大雪に対する国土交通省緊急発表
気象庁・1月の気候
気象庁・冬（12月 - 2月）の気候
平成28年大雪等による被害状況等について 内閣府
平成28年1月23日から25日の大雪に関する新潟県気象速報 - 新潟地方気象台

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