平成30年台風第12号

平成30年台風第12号（ジョンダリ）

平成30年台風第12号（アジア名：ジョンダリ）は、2018年7月25日に発生した台風で、その特徴的な進路は非常に注目されました。この台風は、通常の台風とは異なり、逆走するように進行したため、特に話題となりました。以下に、台風の経緯やその影響、被害状況について詳しく説明します。

台風の形成と進路

ジョンダリは、7月20日頃にチューク近海で形成が始まりました。24日には熱帯低気圧に発達し、25日の早朝に台風へと成長しました。台風は、26日には「強い」勢力に達し、次第に小笠原諸島の東を北上する動きを見せました。28日には伊豆諸島に接近した後、さらに西へ進路を変え、29日に三重県伊勢市に上陸しました。上陸後は西へと進み続け、再度福岡県に上陸し、中国に向かっていきました。

この台風の進路が異例であったのは、台風が日本列島に接近した際に、いくつかの高気圧や寒冷渦の影響を受けたためです。特に、太平洋高気圧とチベット高気圧が存在していたため、日本列島への進行が妨げられ、寒冷渦に影響されながら進む珍しい動きとなりました。このため、台風は逆向きのコースを取ったのです。

気象とその影響

日本付近には、東西に伸びる気圧の尾根があったため、台風の北上が難しくなっていました。また、台風が寒冷渦に接近すると、藤原の効果と呼ばれる現象が発生し、台風の勢力が弱まる原因となりました。この相互作用により、ジョンダリはその後の進路を変え、西へ移動することができました。

被害状況

台風によってもたらされた被害は、各地で報告されました。7月28日には、神奈川県小田原市で車両が高波により冠水し、軽傷者が出る事案が発生。静岡県熱海市ではホテルの窓ガラスが高波によって割れ、数人が軽傷を負いました。また、三重県では倒木や歩道の屋根の落下が相次ぎ、多くの infra で問題が生じました。消防庁の報告によると、7月30日には3名が重傷、20名が軽傷を負い、住宅への損害も報告されています。

この台風の影響は、交通機関にも及びました。羽田や成田空港を中心に、航空便の多くがキャンセルされ、数万人が影響を受けました。また、イベントにも影響が出て、さまざまな祭りやスポーツ行事の中止や順延が相次ぎました。

台風12号の通過後、特に注目すべきは、地域社会に与えた影響です。西日本豪雨の被災地を通過したため、被害が拡大しないか懸念される声もありました。宿泊施設や観光地では、訪問者が減少し、経済的な影響も避けられない状態となりました。

まとめ

ジョンダリはその特異な進路と被害から、台風の新たなパターンを示す事例となりました。気象予測や災害対応の重要性が再認識され、これからの対策に活かされることが期待されています。気象への理解を深めることが、未来の災害軽減に繋がると思われます。

もう一度検索