平林猛

平林 猛

1941年1月13日、東京市大田区羽田に生まれた平林猛は、著述家および映像プロデューサーとして多方面で活躍しています。

経歴と人物

講談社にて「週刊現代」の記者を務めた後、映像の世界へと転身しました。以来、NHKや各民放テレビ局で多数のドキュメンタリー番組制作に携わっています。特に、120分ドキュメンタリー「華僑パワーの挑戦」（NHK BS1）では、「NHK衛星放送局長賞」を受賞するなど、その手腕が高く評価されています。テレビ番組制作のほかにも、映画の企画・プロデュース、各種イベントやシンポジウムの企画・制作、そして執筆活動など、その活動範囲は極めて広範です。

シンポジウムのプロデュースにおいては、都市、環境、医療といった現代社会の重要なテーマを取り上げ、著名な専門家や文化人を招いて議論の場を創出してきました。例えば、「快適都市へのシナリオ」では、安藤忠雄氏をコーディネーターに迎え、五木寛之氏やリチャード・ロジャース氏らがパネリストとして参加しました。「人類の病」では、糖尿病と歯周病をテーマに、日米の医学界を代表する研究者が集結し、国連大学を会場に行われました。これらの企画を通じて、社会的な課題に対する意識啓発に貢献しています。

主な活動分野

著述活動

映像制作と並行して、多岐にわたるテーマで執筆活動を行っています。初期には池田大作氏の青年時代を描いた作品や、若者の青春を追ったノンフィクションを発表。また、著名な力士や、日活映画の同録企画、労働界のキーパーソンに関する評伝など、その著書のテーマは多岐にわたります。

『巣立ちの日々: 池田大作の蒲田時代と43人の同級生たち』読売新聞社、1977年
『生きてる証しがほしいんだ―「暴走族」青春のモノローグ』大和出版、1977年（朝倉喬司との共著）
『にっぽん人高見山大五郎』講談社、1981年
『女高生偽日記』八曜社、1981年
『池田大作名誉会長の羽田時代 卒業写真に写る同級生たちの戦後』展望社、2016年
『愛のキャッチャーミット 梨田昌孝』八曜社
評伝『棘男』労働界のレジェンド武建一 2019年（展望社）

プロデュースした書籍も多数あり、写真集やゲームブック、社会派の翻訳書など、ジャンルは多岐にわたります。

映像プロデュース

テレビ番組

NHK BS1を中心に、アジア経済や文化に焦点を当てたドキュメンタリーを数多く制作しました。旅行記的な要素を持つものから、現代社会の問題を深掘りするものまで、その内容はバラエティに富んでいます。

サントリースペシャル「黄金街道〜スパイスとロマンを求めた男たち」日本テレビ（1986年）
日曜スペシャル「華僑パワーの挑戦」NHK BS-1（1991年）
日曜スペシャル「八方財神・商は広州にあり」NHK BS-1
日曜スペシャル「大連発チャイナコレクション」NHK BS-1
世界わが心の旅「ベネチア光と陰の迷宮」陣内秀信（建築史家）NHKBS2（1996年）
「ボクは自分をマネしない・イラン映画監督モフセン・マフマルバフ」NHKBS1（2007年）

映画

映画の企画・プロデュースにも携わっています。写真家・荒木経惟氏が監督を務めた作品や、日本の伝統文化、あるいは社会的なテーマを扱ったドキュメンタリー映画を手掛けています。

映画「女高生偽日記」(にっかつ、1981年）企画
映画「祭爆」〜津軽三味線高橋裕次郎〜（2013年）
映画「ぬくめどり」〜鷹匠の世界〜（2014年）
映画「棘」～ひとの痛みは己の痛み。武建一～（2019年）

イベント・シンポジウム企画プロデュース

建築、医療、文化、環境など、様々な分野で大規模なシンポジウムやイベントを企画・制作しました。著名な識者や専門家を招き、テーマについて深く掘り下げる場を設けました。

「快適都市へのシナリオ」（1991年）
「人類の病」～糖尿病と歯周病～（2009年）
「新東京論」（2008年）
「世界遺産と未来」～世界日光の未来～（2009年）
「第１０回日本水大賞　2008　日本ストックホルム青少年水大賞表彰式・授賞活動発表会」
* 「太平洋と日本そしてアジアにひらく道」(2008年)

家族

平林猛氏の父は、羽田で船大工を営んでいた平林作蔵氏です。作蔵氏が製作した海苔舟などの和船の模型は、現在、東京都大田区立郷土博物館に収蔵されています。

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