高見山大五郎

髙見山 大五郎の功績と活躍

髙見山 大五郎（1944年6月16日生まれ）は、ハワイ準州・マウイ島出身の元大相撲力士である。彼はアメリカ国籍の初の力士として注目を集め、幕内最高優勝を成し遂げるなど、そのキャリアを通じて数々の記録を残した。その本名は渡辺 大五郎であり、アメリカ合衆国での活動中は「ジェシー」という名前で知られていた。身長192cm、体重205kgというその巨体から、相撲界においては圧倒的な存在感を示していた。

入門の経緯

髙見山は、砲丸投げやアメリカンフットボールに取り組んだ後、日本に渡り11年間の厳しい修行に耐えて力士としての道を歩み始めた。1964年にスカウトされて来日、初土俵を踏んだ。これが彼の相撲人生の始まりであり、異国での厳しい生活が彼の精神を鍛えていった。

四股名の由来

彼の四股名は高見山であり、高砂部屋の名跡として非常に由緒あるものである。初めての土俵では本名の「ジェシー」を用いたが、その後高見山名義での活躍が続くことになった。苦悩が始まった新弟子時代、ちゃんこの味に慣れず苦労したというエピソードも残っている。特に白身魚が苦手で、ちゃんこに口を付けるのがやっとだったと語る。

幕内での活躍

髙見山は1967年に新十両昇進を果たし、翌1968年に幕内入りを達成した。彼は初の外国籍関取としての意義を背負い、相撲界での地位を確立した。力士としての肌感覚を研ぎ澄ます中で、当時の大関との激しい戦いにも挑み、特に輪島選手との対戦では数々の金星を挙げたことが記憶に残っている。彼の取り口は力強さと瞬発力を生かしたものであり、特に相撲を静と動のバランスで極めたそのスタイルは、多くのファンに支持された。

最高位への到達

1972年7月場所では、13勝2敗の好成績で幕内最高優勝を達成し、同時にアメリカ大統領リチャード・ニクソンからの祝電が読み上げられるという名誉を得る。彼の優勝は外国出身力士にとっての大きな誇りであり、当時の相撲界に少なかった外国人力士としての道を切り拓くものであった。

引退後の活動

1984年に引退を発表した髙見山は、その後日本国籍を取得し、年寄り・東関を襲名して審判委員を務める。彼は引退後も相撲界において影響力を持ち続け、後輩たちへの指導を通じて相撲文化の国際化を推進した。特に、ハワイ出身の力士育成にも積極的に関わった。

髙見山の人物像と影響

髙見山はその巨体と屈強な姿を持ちながらも温かい人柄からファンに愛され続け、その代表的な姿勢は「礼儀正しく、きちんとした挨拶」と言われるように、次世代の力士における模範となった。彼のエピソードは相撲ファンだけでなく、多くの人々に感動と勇気を与えた。

結論

髙見山大五郎は、初の外国人関取として大相撲界に新しい風を吹き込み、国際早期化の第一歩を踏み出した力士である。その功績は今後の力士たちにも引継がれ、華々しい功績として語り継がれていくことだろう。

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