平津作戦

平津作戦（へいしんさくせん）の概要

平津作戦は、日中戦争の初期にあたる1937年に発生した重要な戦闘です。この作戦は、日本と中国の両軍の緊張が高まる中で行われ、特に広安門事件を契機として深刻な衝突へと発展しました。

作戦の背景

日本軍は盧溝橋事件の停戦協定締結後、北支地域に駐屯する部隊を強化していました。対抗する形で、中国軍も少なからず抵抗を続け、地域の緊張感は高まるばかりでした。こうした状況の中で、1937年7月25日に広安門事件が発生し、その後、両軍の間で激しい衝突が始まります。

作戦開始にあたり、日本軍は27日、最初に中国軍に対して撤退を求める最後通牒を出しました。この通告が功を奏さなかった場合、日本軍は攻撃を決意し、香月中将は28日からの総攻撃を決定しました。

戦闘の展開

1937年7月28日、日本軍は北平と天津周辺に存在する中国軍に対し一斉攻撃を行いました。日本側の第20師団や独立混成第1旅団が南苑や西苑を攻撃し、速やかに軍を進め、中国軍は次第に後退を余儀なくされました。

戦闘が進む中、天津では第2師団が中国軍の攻撃に応戦し、戦力が不足していたものの、臨時航空兵団の支援を受けて撃退に成功しました。塘沽では、対岸からの砲撃に直面しつつも、応戦してこれを掃討しました。通州では冀東保安隊の攻撃を受けて、急きょ北平から派遣された連隊がこれを掃討しました。

27日には、中国全体での戦闘方針が定まっていなかったこともあり、抵抗は一定の強度を持っていたものの、徐々に後退しました。30日には北平と天津を占領し、作戦が一旦の終了を迎えます。
この時期、通州では在留邦人が犠牲となる通州事件が発生し、これを受けて日本側は「暴戻支那」とのイメージを国民に印象付けるプロパガンダとして利用しました。

参加した軍勢

日本側

• - 支那駐屯軍（司令官：香月清司）
• - 第20師団（師団長：川岸文三郎）
• - 独立混成第1旅団（旅団長：酒井鎬次）
• - 野戦重砲兵第9連隊 など

中国側

• - 第29軍（軍長：宋哲元）
• - 第37師団
• - 第38師団
• - 第132師団 など

まとめ

平津作戦は日中戦争における決定的な戦闘の一つであり、日本軍が北平と天津を占領することに成功しましたが、その過程で、両軍の戦闘はますます激化し、地域情勢は一層悪化しました。この戦闘がその後の本格的な戦争へと繋がっていくこととなります。

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