平繁盛

平繁盛（たいら の しげもり）

平繁盛は、平安時代中期に活躍した武将です。常陸大掾に任じられたことから、大掾繁盛（だいじょうしげもり）とも呼ばれています。彼は常陸[[平氏]]、そして大掾氏の実質的な祖として知られています。

生い立ちと武勲

平繁盛は、平国香の次男として生まれました。母親は『尊卑分脈』によると家女房であったとされています。兄である貞盛とともに、平将門の乱を鎮圧する戦いで活躍し、その武勇によって名を馳せました。しかし、乱の鎮圧後、繁盛に対する恩賞は少なく、彼はその処遇に大きな不満を抱いたと伝えられています。

晩年の苦難

平将門の乱から46年後の寛和2年（986年）、繁盛は国家守護のため、大般若経600巻を書写し、比叡山延暦寺へ奉納しようとしました。しかし、この奉納は、武蔵国において繁盛の仇敵であった平忠頼・忠光らによって妨害されてしまいます。繁盛は朝廷に訴え、一時的に追討の沙汰が出されましたが、その訴えはまもなく無効となりました。

このため、繁盛は太政官に対し、各国国衙を経由して奉納するという条件で再度上申書を提出し、ようやく比叡山への奉納を完遂することができました。この出来事は、当時の武士社会における権力闘争や、中央の貴族と地方の武士との間の微妙な関係を物語るものとして注目されます。

系譜

平繁盛の系譜は以下の通りです。

父：平国香（872?-935）
母：家女房
妻：斎部俊成娘
男子：平兼忠
生母不明の子女
男子：平維幹 - 平貞盛の養子
男子：平維茂（?-1022?） - 平兼忠の子とも。平貞盛の養子
男子：平安忠（?-951?） - 平維茂の子とも
男子：平維朝
男子：平維将? - 平貞盛の子とも

参考文献

歴史学研究会・日本史研究会編『講座日本歴史』 （東京大学出版会、1985年）
福田豊彦, 日本歴史学会『千葉常胤』吉川弘文館〈人物叢書〉、1973年。

登場作品

テレビドラマ
『風と雲と虹と』（1976年、NHK大河ドラマ、演：佐々木剛）


平繁盛は、その生涯を通じて武士としての功績を挙げながらも、中央の権力構造との摩擦に苦しんだ人物として、後世に語り継がれています。彼の行動は、平安時代中期における武士の台頭と、その中で生じた葛藤を象徴するものと言えるでしょう。

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