平野力三

平野力三の生涯と業績

平野 力三（ひらの りきぞう、1898年11月5日 - 1981年12月17日）は、日本の農民運動家であり、政治家としても著名な存在です。彼は日本の農民運動において、反資本、反ファッショ、反共産を掲げて活動し、その指導者としての役割を果たしました。また、彼は国家社会主義者ともなりました。

出生と教育

平野力三は、岐阜県大和村（現在の郡上市）で生まれました。1920年に拓殖大学中国語科に入学し、さらに1923年に早稲田大学政治経済学科を卒業しました。早稲田大学での学びは、後の農民運動や政治活動における彼の理念形成に大きく寄与しました。

農民運動の指導

力三は、建設者同盟を経て山梨県における農民運動に注力し、1924年には日本農民組合（日農）の山梨県連主事となります。しかし、日農の左傾化に反対し、1926年に全日本農民組合同盟を設立し、その会長に就任しました。その後、社会民衆党の設立に関わりますが、内部対立により日本大衆党を結成し、書記長として活動します。

政党間の対立

彼の政党活動は多岐にわたりましたが、故に彼の政治活動は常に波乱万丈でした。1929年には、政府案に賛成することで党内での対立が激化し、除名処分を受けた後、国民党とその後の政党へと流れ続けます。特に、田中義一首相との関係が重要であり、彼は1932年に日本国家社会党を設立、さらに皇道会を結成します。

戦後の政治活動

戦後、彼は日本社会党の設立に参加し、右派に属して活動を続けました。1947年に全国農民組合を結成し、農林大臣として片山内閣に入閣するも、内閣官房長官と対立した結果、罷免されました。これは、日本の憲法下での閣僚罷免の初例となりました。

1948年には、公職追放処分を受けますが、日本の司法判断とは異なる圧力により追放が確定し、自身の派閥は社会党から離脱して新たな党を結成しました。

晩年の活動

1950年に追放が解除された後、彼は政界に復帰し、社会民主党を結成するなど精力的に活動しました。しかし、政治活動は順調には進まず、数度の選挙に出馬するも全て落選となります。政界を引退した後は、日刊農業新聞社の社長として勤務しました。

1970年代には、アメリカの公文書館を通じて自身の公職追放の不当性を訴え、名誉回復を求める活動を展開し、成果も上げました。

著作と遺産

平野力三は多くの著作を残し、農業政策や農民運動についての洞察を示しました。彼の著作には、農地改革や日本農業政策に関する重要な論考が含まれています。

1981年に亡くなるまで、平野力三は日本の農政と政治において影響力を持った人物でした。彼の生涯の業績は、今もなお多くの人々に評価されています。

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