平野峯郎

平野 峯郎について

概要

平野 峯郎（ひらの みねろう）は1912年に千葉県君津郡貞元村で生まれ、2002年に90歳で亡くなった日本の著名な歌人です。彼は北原白秋が主宰する短歌会に参加し、多くの作品を発表することで、日本の詩歌界に多大な影響を与えました。また、彼の短歌を刻んだ歌碑が鹿野山に建てられ、多くの人々に親しまれています。

生い立ちと早期の活動

峯郎は、貞元小学校や農業補習学校を卒業し、農業に従事しながら短歌の創作を始めました。1928年からは、「千葉県青年処女」や「愛土」などの雑誌に短歌を投稿し、その才能を示していきました。1940年には北原白秋が運営する多磨短歌会に参加し、短歌の洗練を重ねました。

戦争と歌

1943年に召集され、海軍に従事しました。この戦時中、彼は自らの歌を詠む機会を得、戦争の厳しい現実を反映した作品も数多く残しました。終戦を迎えた後、彼は自らの経験を基に反戦的な短歌を創作し、社会批評を行うようになります。

戦後の活動

戦後は、宮本栄一郎が主宰する短歌結社「ひこばえ」に参加し、友人や同士と共に短歌の創作を続けました。その中で、短歌会「さだもと」を結成し、歌誌『さだもと』を発刊しました。1952年には山本康夫に師事し、彼との出会いが峯郎の短歌探求に大きな影響を及ぼしました。

短歌集と評価

1960年に初の短歌集『畦に見る月』を発表し、その後も複数の短歌集を刊行しました。彼の作品は、特に農民としての視点や生活の描写において高く評価されています。また、戦争をテーマにした歌や社会への鋭い視点が示された作品も見られ、山本康夫からは「幅広い作風を持つ堂々たる作家」と称賛されました。

歌碑と校歌

1957年には、「うねり続く尾根道が見ゆ」という短歌が刻まれた歌碑が鹿野山に建立され、彼の作品が人々に愛される存在となりました。また、母校の貞元小学校からの依頼で校歌を作詞し、地元の歴史を詠み込みました。

晩年と遺産

1986年には第四歌集『ひとつの星』を発表し、旅先で詠んだ歌なども多く収められました。彼の生涯は、多くの短歌や作品によって記憶され、評価され続けています。2002年12月22日、老衰によりこの世を去り、君津市貞元の墓地に埋葬されました。

結論

平野峯郎は、日本の短歌界において重要な存在であり、彼の作品は今日でも人々に感動を与え続けています。彼の生涯を通じた短歌の創作は、農民としての確かな視点と戦争体験に基づいた深い思索から生まれるものであり、幅広い作風は多くの人に支持されています。

もう一度検索