平野杏子

平野杏子 - 日本の画家・造形作家

平野杏子（ひらの きょうこ、1930年 - ）は、日本の画家および造形作家としてその名を知られています。彼女は神奈川県伊勢原市に生まれ、画家としてのキャリアは1962年から平塚市でスタートしました。その後の作品は、彼女の内面的な成長や思想の変化を反映しています。

初期の活動と師匠

平野杏子は、若き日に大久保作次郎や三岸節子に師事し、具象的な風景や静物画の技術を磨きました。これらの作品は、彼女の初期の感性や技術を基にしたものであり、リアルな世界を描写する能力が顕著でした。

抽象的な作風への移行

初期の具象的な表現から、次第に仏教の教えや哲学に触れることで、抽象的な作風へと移行していきました。この変遷は、彼女にとって自己探求の旅であり、その結果として生まれた作品は、視覚的なインパクトを持ち続けています。特に、彼女が手掛けた大作は、見る人に深く思索させる力を秘めています。

主な作品

冥海の鯤

「冥海の鯤」（Big Imaginary Fish in the Ocean）は、1970年に制作された油彩・キャンバス作品で、サイズは110.8×144.4cmです。この作品は東京都近代美術館に所蔵されており、彼女のアイデンティティや精神性を反映した重要な一作です。

青い太陽

1987年には「青い太陽」という作品を発表しました。この作品は1167×807cmという大きなサイズで、平塚市美術館に所蔵されています。色彩と形状の大胆な表現が特徴で、彼女の成熟した芸術観が見て取れます。

著書

平野杏子はまた、作家としても多くの著作を持っています。彼女の画集や作品集は、芸術に対する深い理解を読み取ることができる貴重な資料です。

• - 平野杏子画集（東美デザイン、1976年）
• - 磨崖仏讃 - 美の世界を新羅に求めて（耕土社、1978年）
• - 平野杏子作品集（平野杏子作品集刊行実行委員会、2003年）

これらの著書は、平野杏子自身のアートに対する想いや哲学を記録しており、後世のアーティストやアート愛好者にとって重要な参考文献となっています。

結論

平野杏子の作品は、彼女の人生や思想を反映しており、見る者に深い感動を与えるものばかりです。彼女の芸術は、具象から抽象へと至る過程だけでなく、個々の作品を通して人間の本質への問いを投げかけているのです。彼女の作品や著書を通じて、日本の現代美術の一端を感じ取ることができるでしょう。

もう一度検索