年ごろ家族

年ごろ家族

『年ごろ家族』は、1984年1月10日から3月27日までTBS系列で放送されたテレビドラマです。毎週火曜日の21時00分から21時54分までの時間帯に放映され、全12回で完結しました。このドラマは、東京・神田にある模型や機械仕掛けのぬいぐるみを作る製作所「榎模型製作所」を舞台に、自立を模索する子どもたちの成長と、それを見守る昭和初期生まれの父親像を描いています。

物語の中心となる榎健一郎（演：宇津井健）は、榎模型製作所の2代目社長であり、周囲の人々に対して面倒見が良く、家族に対しても温かい愛情で接しています。彼は、少年院から来た預かりの子どもたち、特に梶明美（演：榊原郁恵）を見守りながら、健一郎自身の家族としての在り方を問い直していく姿が描かれています。明美は元気な性格で、彼女の成長が物語の重要なテーマとなります。彼女は後に吾郎（演：村田雄浩）と結婚し、健一郎のもとから巣立っていくことになります。

榎家には他にも個性豊かな家族がいます。長女の幸子（演：手塚理美）は明るく素直ですが、強い意志を持っています。彼女は母親を亡くして以来、3人の弟たちの面倒を見ており、昭和の家族の絆を象徴する存在です。幸子は幼馴染の亮一（演：乃生佳之）と婚約していますが、物語が進むにつれて他の人間関係が複雑になっていく様子が描かれます。

健一郎の母であるさだ（演：赤木春恵）は、地元で活躍する典型的なおばあちゃんキャラ。彼女は家族の未来を心配し、子どもたちを温かく見守ります。ドラマには保護司の滝井良夫（演：財津一郎）やその妻松子（演：高森和子）も登場し、明美との関わりを通じて物語に深みを加える役割を果たします。良夫は健一郎と幼馴染で、お互いの成長を見守りながら大人の世界での挑戦を描いています。

また、主題歌は杉山清貴＆オメガトライブの「君のハートはマリンブルー」で、1984年1月21日に発売され、ドラマの雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。この楽曲は、視聴者に強い印象を与え、ドラマの情感をより豊かに表現しています。

『年ごろ家族』は当初全13回の予定でしたが、視聴率が伸び悩んだため、結果的に12回での放送となりました。家庭や友情、そして自立の過程を通じて描かれる人間ドラマは、視聴者に多くの共感を呼び起こしたことが今も語り継がれています。家族の愛と成長、そして時代背景を交えたリアリティのあるストーリーは、当時の人々の心に強く残ったことでしょう。

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