赤木春恵

赤木春恵の生涯と業績

赤木春恵（あかぎ はるえ）は、1924年3月14日に生まれ、2018年11月29日に94歳という高齢で逝去した日本の著名な女優です。彼女の本名は小田章子（おだ あやこ）であり、旧芸名として赤木春生（あかぎ はるみ）も用いていました。身長152cm、血液型はB型で、オフィスのいりを所属事務所としていました。また、日本喜劇人協会の相談役を務めていました。出身地は満州長春県（現在の中国吉林省長春市）で、晩年は東京都府中市に在住していました。

来歴

赤木の父は南満州鉄道の産婦人科医でしたが、彼女が3歳の時に亡くなってしまいました。1933年に日本に帰国し、京都で成長し、女学校を卒業後の1940年に松竹にニューフェイスとして入社。その年の映画『二本松少年隊』で女優デビューを果たしました。彼女は伊藤大輔監督の名付けにより、赤木春生という名前で知られるようになりました。

1943年には大映に移籍し、1945年には兄が設立した慰問劇団に参加するため退社。戦後、彼女は満州各地を巡業しながら、多くの困難に直面しました。特に、終戦時にはハルビン市で日常生活に苦しむ中、女優としての機転を活かし、ソ連兵から身を守るエピソードは有名です。その後、戦後しばらく満州に滞在し、地元の収容所では演劇を通じて仲間とつながりを持ちました。

1946年に帰国後、大映に復帰した赤木は、片岡千恵蔵からの提案で芸名を春恵に改名しました。1947年には東映プロデューサーの栄井賢と結婚し、一女を儲けました。1948年からは東映で数多くの作品に出演し、多様な役柄で活躍しました。

ようやく広く知られるようになった赤木は、1959年に森繁久彌主催の劇団に参加しフリーの女優として活動を続けました。1970年代にはさらに注目を集め、1979年からの『3年B組金八先生』では、女性校長役で国民的な人気を得ました。1980年代には『渡る世間は鬼ばかり』でも強烈なキャラクターを演じ、多くの視聴者から愛されました。

晩年

彼女のキャリアは長きにわたり、様々な作品に携わりました。2007年には乳がんを克服し、復帰を果たした後も、『渡る世間は鬼ばかり』に出演し続けました。2011年には舞台からの引退を宣言しましたが、その後も様々なイベントで姿を見せることがありました。

2012年11月10日、親友の森光子が亡くなると、その影響からインタビューに応じたこともありました。2013年には映画『ペコロスの母に会いに行く』に主演し、88歳にして映画初主演を果たし、ギネス世界記録にも認定されました。多忙な女優生活を送りながらも、彼女は周囲の人々との温かい関係を築き続けました。

2014年に卒寿を迎えた際には、有名な友人らと共にお祝いを受けたものの、同日、親友の宇津井健の訃報を受け悲しみました。

2018年11月29日、赤木春恵は心不全で亡くなりました。彼女の葬儀には多くの著名人が参列し、親しまれた存在だったことを物語っています。石井ふく子や橋田壽賀子といった著名な演劇界の仲間は、彼女の功績を高く評価し、「厳しさと優しさを兼ね備えた稀有な女優」だと語り、赤木の存在がどれほど多くの人々に影響を与えたかを示しました。

彼女の家族に支えられながら、赤木春恵は94歳にしてその生涯に幕を下ろし、多くの人々に感動を与えた女優でした。

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