幸福 (1965年の映画)

映画『幸福』について

アニエス・ヴァルダ監督による1965年のフランス映画『幸福』（原題: Le Bonheur）は、一見すると幸せな家族の日常を描きながら、その裏に潜む複雑な感情や人間の本質を深く掘り下げた作品です。ヌーヴェルヴァーグの代表作の一つとして知られ、第15回ベルリン国際映画祭では銀熊賞と審査員特別賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

ストーリー

物語の中心となるのは、建具職人として働く若くハンサムなフランソワです。彼は、愛らしい妻テレーズと二人の子供たち（ピエロとジズー）と共に、郊外で穏やかで幸せな日々を送っています。家族は週末に森へ出かけることを楽しみにし、フランソワは妻と子供たちを心から愛しています。しかし、その一方で、フランソワは郵便局で働く魅力的な独身女性エミリーに惹かれていきます。エミリーはテレーズと容姿が似ており、フランソワは彼女に自分の妻や子供たちとの幸せな生活を隠さずに打ち明けます。エミリーもまた、フランソワを受け入れ、二人の関係は深まっていきます。

ある週末、家族で森へピクニックに出かけた際、テレーズはフランソワに最近特に幸せそうに見える理由を尋ねます。フランソワは、テレーズと子供たちとの現在の幸せは決して変わらないが、エミリーとの新しい幸せが加わったことで、さらに幸福感が増していると説明します。その後、子供たちが眠った後、テレーズはフランソワに愛を求めますが、行為後、フランソワが目を覚ますと、テレーズの姿は消えていました。必死に探した結果、フランソワは湖から引き上げられたテレーズの遺体と対面することになります。

テレーズの死後、しばらく親戚に子供たちの面倒を見てもらっていたフランソワは、仕事に復帰し、再びエミリーに会いに行きます。すぐにエミリーはフランソワと一緒に暮らし始め、彼の子供たちの面倒を見るようになります。そして、再び家族は幸せな日々を取り戻し、郊外の森へと出かけることを楽しみます。フランソワは新しい妻と子供たちを深く愛し、再び幸福を感じるのでした。この物語は、一見幸せに見える日常の裏に潜む人間の複雑な感情、そして愛や幸福の多面性を問いかける、衝撃的な内容となっています。

キャスト

フランソワ: ジャン＝クロード・ドルオー
テレーズ: クレール・ドルオー
エミリー: マリー＝フランス・ボワイエ

受賞

1965年: ベルリン国際映画祭 銀熊賞、審査員特別賞
1965年: ルイ・デリュック賞
1966年: キネマ旬報外国映画ベストテン 第3位

外部リンク

幸福 - allcinema
幸福 - KINENOTE
Le Bonheur - オールムービー（英語）
Le Bonheur - IMDb（英語）

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