幸福ゆき

テレビドラマ『幸福ゆき』

『幸福ゆき』は、1975年4月8日から同年9月23日までTBS系列で放送された日本のテレビドラマです。大映テレビとTBSが共同制作した本作は、全25話で構成され、毎週火曜日の19:00から19:30に放送されました。

概要

本作は、過去の番組『家なき子』に続いて坂口良子が主演を務めた作品として注目を集めました。この前作は松竹との共同制作でしたが、『幸福ゆき』では再び大映テレビとタッグを組んで制作されたことが特徴です。また、関西地区では1975年3月31日に腸捻転が解消され、朝日放送から毎日放送がネットワークに参加。これにより、新たな視聴者層の獲得を狙った放送となったのです。

物語の背景

物語は、松井ジュンとその姉妹ミチルの苦難の道のりを描いています。彼女たちは北海道で両親とともに幸せに暮らしていましたが、突然の出来事が彼女たちの人生を一変させます。母の幾代が急死し、父の猛が無実の罪で追われる身となったことで、姉妹は東京に住む唯一の親族に救いを求めて上京することになります。

しかし、東京で待っていたのは冷たい現実でした。伯父の安吉をはじめ、安吉の妻・初江や娘・奈々など、東京の親族や周囲の人々は彼女たちを受け入れることができず、苦しみを強いる形となりました。一時的に彼女たちの味方になった人々も、父の冤罪と関わることで次第に距離を置くようになってしまいます。

姉妹の信念と成長

それでも、ジュンは父の無実を信じ続けます。この彼女の態度は、次第に周囲の冷たい目にも変化をもたらし、安吉や奈々でさえ彼女たちを理解しようとする心が芽生え始めるのです。また、警察の中にも父の容疑に疑問を持ち始める刑事が現れることで、事態は進展を見せることに。正義を求めるジュンたちと、真犯人を追う警察が手を組み、本格的な捜査が始まります。

クライマックス

物語は、ジュンたちが九州へ向かい真犯人を追う場面へと進展します。彼女たちの信念と周囲の協力により、最終的には多くの人々との和解が実現するのです。初江や工場長の佐久間も、ジュンの真意を理解し、誤解が解けることで、新たな家族のようなつながりが生まれます。

キャスト

本作には、坂口良子が松井ジュン役を務め、その姉妹として池田恭子が松井ミチル役を演じました。その他にも、御木本伸介、北沢典子、穂積隆信など、多彩なキャストが魅力あふれる演技を披露しています。

スタッフ

プロデューサーは、野木小四郎（大映テレビ）と原弘男（TBS）。脚本は長野洋が担当し、音楽は菊池俊輔が手がけました。ナレーションは篠原大作が担当し、多くの視聴者の心に残る作品となりました。

主題歌と挿入歌

本作の主題歌「幸福ゆき」は、坂口良子が歌い、作詞をたかたかし、作曲・編曲を菊池俊輔が担当しています。また、挿入歌「こんにちわさようなら」も同様に坂口良子が歌っており、作品の感動的なストーリーをさらに引き立てています。日本コロムビアからのレコード発売も行われ、多くのファンに親しまれました。

『幸福ゆき』は、家族愛と無実を追い求める感動の物語として、多くの人々に影響を与えました。

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