幸福論 (曲)

「幸福論」は、椎名林檎が1998年に発表したデビューシングルであり、彼女の音楽キャリアを語る上で欠かせない重要な楽曲です。この曲は、1998年5月27日に東芝EMI（現：ユニバーサルミュージック）から8cmシングルとしてリリースされました。その後、1999年10月27日には、新曲「時が暴走する」を追加収録した12cmシングルとして再発売されています。

楽曲の背景

椎名林檎自身は、デビューシングルとして「幸福論」ではなく、カップリング曲の「すべりだい」を推していました。しかし、スタッフの意向により「幸福論」がデビューシングルとしてリリースされることになったというエピソードがあります。この楽曲は、椎名が福岡に住んでいた頃の恋愛経験が基になっており、当時の複雑な感情や将来への不安が歌詞に込められています。また、カップリング曲である「すべりだい」は、「幸福論」の続編のような位置づけであり、さらにその前の出来事を歌ったのが「時が暴走する」とされています。しかし、「時が暴走する」は当初8cmシングルには収録されず、椎名自身がリスナーに対して不完全であると感じたため、12cmシングルとして再リリースされた際に収録されました。8cmシングル盤と12cmシングル盤では、アレンジや歌詞の表記、楽曲の演奏時間などが微妙に異なっています。

アルバム収録とライブでの披露

「幸福論」は、1999年2月24日に発売された1stアルバム『無罪モラトリアム』に「幸福論（悦楽編）」としてアルバムバージョンが収録されました。しかし、シングルバージョンは長らくアルバムに収録されていませんでした。その後、2019年11月13日にリリースされた初のオールタイムベストアルバム『ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜』で、ついに初収録となりました。また、カップリング曲の「すべりだい」と「時が暴走する」は、デビュー10周年記念アルバム『私と放電』に収録されています。ライブでの披露は、ヴァイオリニストの斎藤ネコと共に出演した「RISING SUN ROCK FESTIVAL 1999 in EZO」のみとされています。

参加メンバー

「幸福論」のレコーディングには、以下のミュージシャンが参加しています。

電気式ギター：西川"チョーキン"進
ベース：亀田"リチパン"誠治
ドラム：河村"カイヴン"母介
シンセサイザー、録音、操作：北城"プロトウー"浩志

「すべりだい」のレコーディングには以下のミュージシャンが参加しています。

電気式、生ギター：西川"チョーキン"進
ベース：渡辺"スウィン"等
シンセサイザー、録音、操作：北城"プロトウー"浩志

「時が暴走する」のレコーディングには以下のミュージシャンが参加しています。

スパイス：中山"ハリケーン"信彦
ピアノ弾き語り：椎名"ストア"林檎
ドラム：村石"ケンソー"雅行
* 録音、操作：井上"コンプ"宇仁




「幸福論」は、椎名林檎の原点であり、彼女の音楽性を知る上で非常に重要な一曲です。デビュー当時から現在に至るまで、多くのファンに愛され続けているこの曲は、今後も彼女の音楽キャリアの中で重要な位置を占め続けるでしょう。

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