幼児用便器

幼児用便器

幼児用便器は、子どもが使いやすいように設計された、通常よりも小型の大便器・小便器です。おまるのようなサイズでありながら、使用後は一般の便器と同様に水を流せるため、トイレットトレーニングに活用されています。

概要

主に幼稚園、保育園、認定こども園、複合商業施設、公共施設などの子供用トイレ（キッズトイレ）や多目的トイレ（親子トイレ）に設置されています。

日本の主な製造メーカーとしては、衛生陶器などを製造するTOTO、LIXIL（INAX）の2社、遊具などの幼児用器具を製造するジャクエツ、住宅用設備機器などを開発・製造・販売するダイワ化成などがあります。商品名はメーカーによって多少異なりますが、多くの場合「幼児用大便器」「幼児用小便器」と記載されます。

日本国内における種類

種類はメーカーによって異なりますが、一般的には以下の4種類があります。

1 - 2歳児向け幼児用大便器
3 - 5歳児向け幼児用大便器
幼児用和風大便器
幼児用小便器

幼児用和風大便器は、かつては床下給水式で非節水の製品のみが製造されていましたが、後に床上給水で節水式の掃除口付き製品も発売されました。しかし、近年では和式から洋式への移行が進んでおり、幼児用和風大便器を製造するメーカーは減少し、製造されていても特注扱いとなることがあります。

給水方式は、主にロータンク式またはフラッシュバルブ式のいずれかが採用されています。近年の製品では、節水性能が向上しており、幼児用大便器では、幼児の軽い力でも簡単に水が流せるように、通常より長いハンドル（長尺ハンドル）を備えたフラッシュバルブや、大小の流し分けをなくし、軽く押すだけで洗浄できる押し下げ式レバーを備えたロータンクが搭載されたものがあります。また、便座に保温機能やおしっこの飛び散りを防ぐガードを搭載した製品も発売されています。

幼児用小便器では、年齢に合わせて高さが調節できる壁掛け式のものや、掃除がしやすいように便器のフチをなくしたものが発売されています。

日本国内の発売年表

1959年 - TOTOが（1-2歳児向け）幼児用腰掛式便器（トラップなし）C40を発売
1964年 - TOTOが床下給水和風大便器（幼児用）（トラップあり）C103を発売
1966年 - LIXIL（INAX）が幼児用和風便器（トラップあり）C-415を発売
1971年 - TOTOが（3-5歳児向け）幼児用腰掛式洗落し便器C425を発売
1974年 - LIXIL（INAX）が（3-5歳児向け）幼児用洋風便器C-43を発売
1979年 - LIXIL（INAX）が（1-2歳児向け）幼児用洋風便器（トラップあり、掃除口付き）C-111Mを発売
1982年 - TOTOが幼児用トラップ着脱式ストール小便器U309Cなどを発売
1984年 - LIXIL（INAX）が幼児用小便器（トラップ着脱式）U-201Mなどを発売
1985年 - LIXIL（INAX）が（1-2歳児向け）幼児用洋風便器（トラップなし）C-111Tを発売
1990年 - TOTOが（1-2歳児向け）幼児用掃除口付腰掛便器（トラップあり）C40CSなどを発売
1997年 - ダイワ化成が業界初の幼児専用簡易水洗トイレFC1を発売
1998年 - ダイワ化成がFC1の後継である幼児専用簡易水洗トイレFC2を発売
2003年 - ジャクエツが業界初となる幼児用暖房便座などを発売
2006年 - ダイワ化成が幼児用ストール小便器GT-2を発売
2007年 - TOTOがキッズトイレスペースシリーズを発売
2009年 - ダイワ化成がFC2の後継である幼児専用簡易水洗トイレFC7を発売
2010年 - LIXIL（INAX）が幼児用壁掛け小便器U-401Rを発売
2013年 - LIXIL（INAX）が（3-5歳児向け）幼児用洋風便器C-P143Sなどを発売
2014年 - TOTOが（1-2歳児向け）幼児用暖房便座TCF41Rを発売
2015年 - LIXIL（INAX）が幼児用洋風便器専用暖房便座を発売
2016年 - LIXIL（INAX）が幼児用洋風便器YC-P143Sなどを発売
2020年 - ジャクエツが芝浦工業大学と共同開発したプティトワレシリーズを発売

参考情報

TOTO商品情報ページ
LIXIL商品情報ページ
ダイワ化成 商品情報ページ
ジャクエツ 商品情報ページ

関連項目

日本の便所
便器
親子トイレ
トイレットトレーニング
補助便座
おまる

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