広島学院中学校・高等学校

広島学院中学校・高等学校について

広島学院中学校・高等学校（ひろしまがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう）は、広島県広島市西区に位置する私立の男子中学校および高等学校です。この学校は中高一貫教育を提供しており、高等学校は生徒を新たに募集しない完全中高一貫校として運営されています。設立の背景には、イエズス会（カトリック修道会）の思想があり、教育の力で原爆の影響を受けた広島を再建することが目指されました。

設立の歴史

1956年に設立された広島学院は、日本で3番目となるイエズス会の中高一貫校であり、その創設当初から「教育の力で広島を再生させたい」という明確な目的がありました。本校は広島市内にある男子中高一貫校の中で、唯一のミッションスクールとして位置づけられていますが、初代校長のフーベルト・シュワイツェルは、宗教を強調することは避け、実際にはキリスト教の精神に基づいた教育を重視しました。

教育理念

広島学院の教育理念は「Puerilis Institutio est Renovatio Mundi」（若者の教育は世界の変革である）というイエズス会士による言葉に象徴されています。この教育は「他者のために生きる」という価値観を基本にしており、学びを通じて他人に尽くすことの重要性が強調されているのです。生徒たちには「よきリーダー」を目指すよう指導がなされており、このリーダーシップには他者に仕える姿勢が求められています。

学校の特色

かつて存在した「清友寮」は全国から生徒を受け入れていましたが、現在は地域に密着した教育を志向し、岡山県や山口県を含めた中四国地方出身者が中心となっています。入学条件の制限は、個々の成長を大切にする「Cura Personalis」の理念に基づいています。学校では、習熟度別の授業を行わず、全生徒が一緒に学ぶ環境をつくることで、チームワークを重視した体育祭や文化祭などの学校行事が充実しています。

校歌と制服

校歌は石賀昇が作詞し、安部孝明が作曲したもので、学院の歴史や理念を歌い上げています。また、現校章や制服は伝統を重んじたデザインとなっており、生徒たちのアイデンティティを醸成しています。夏服と冬服が明確に区別されており、細部にもこだわっています。

学生生活

学校は高台に位置し、校舎からは広島市内を一望できる地形にあります。しかし、通学には坂道が多く、アクセスには工夫や努力が求められます。学生たちは毎日、手作りの弁当を持参し、クラスメートと共に食事をする文化が根付いています。授業は45人前後のクラスで構成されており、朝の集会や授業中の休憩時間には中間体操が行われ、運動を通じた心身の健康も重視されています。

部活動

広島学院の部活動は学業を優先する形で運営されていますが、運動部・文化部ともに成果を上げています。特に、登山部やESS（英語部）などは全国的に優秀な成績を誇り、多種の部活動において活発な活動が続けられています。専用の自習室も設けられ、学習環境の充実が図られています。

進路支援

進学に関しては、各自の希望に沿った進路決定を尊重する体制が整えられており、その際には文系と理系の履修選択が行われます。近年は医歯薬系大学への進学が強く推奨され、数多くの卒業生が難関大学へ進学しています。

総括

広島学院中学校・高等学校は、カトリック精神に基づく教育を通じて、地域社会に貢献し、他者に仕える人間の育成に力を入れています。今後も教育の質を向上させ、広島の未来を担うリーダーを育てる学校として進化し続けていくでしょう。

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