広島市立本川小学校

広島市立本川小学校：歴史と平和を伝える学校

広島市立本川小学校は、広島県広島市中区本川町に位置する公立小学校です。太田川(本川)を挟んで広島平和記念公園の西側にあり、広島市立本川保育園も敷地内にあります。本校は、漫画『はだしのゲン』で描かれた「本川国民学校」のモデルとして知られています。

商業地で栄えた歴史と原爆投下の悲劇

[江戸時代]]から商業地域として栄えてきたこの地に、地元住民の強い要望を受け、1873年]、「造成舎」として創立されました。その後、幾度かの改称を経て、「本川尋常高等小[学校」となり、1928年]には市内小[[学校で初めて鉄筋コンクリート造りの校舎が完成。校歌も制定され、地域の期待を一身に集める学校となりました。

しかし、[1945年]8月6日、広島市への原子爆弾投下により、本校も甚大な被害を受けました。爆心地から約410mという至近距離にあった本川小学校は、爆風と熱線によって校舎は全焼。児童と教職員合わせて400名以上が犠牲となりました。この悲劇は、学校の歴史に深く刻まれた出来事です。

戦後の復興と平和学習への取り組み

戦後、復興と共に地域は商業地として再び活気を取り戻し、本川小学校の生徒数も増加しました。しかし、近年は都市部におけるドーナツ化現象の影響を受け、生徒数は減少傾向にあります。

被爆から生き残った旧校舎の一部は、現在「平和資料館」として活用されています。被爆建物のひとつとして、当時の状況を伝える貴重な史跡であり、平和学習の場として重要な役割を果たしています。資料館には、被爆時の写真パネルや、被爆したガラス瓶、缶詰、日用品などが展示され、当時の惨状を今に伝えています。地下には、広島平和記念資料館から移設されたジオラマも展示されています。

[1974年]から本格的に始まった平和学習は、現在も本校の教育活動の中核をなしています。児童たちは、被爆体験者の方々から直接話を聞いたり、資料館で当時の様子を学んだりすることで、平和の尊さ、そして戦争の悲惨さを学びます。

150年を超える歴史と未来への展望

本川小学校は、2023年(令和5年)に創立150周年を迎えました。150年以上にわたる歴史の中で、幾多の困難を乗り越え、地域社会に貢献してきました。これからも、平和を願い、未来を担う子どもたちの育成に尽力していくことでしょう。

卒業生には、小説家の鈴木三重吉氏、三菱商事元社長の田部文一郎氏、漫画家の中沢啓治氏(『はだしのゲン』作者)など、各界で活躍する著名人が多く輩出されています。

本川小学校は、歴史と平和を伝える、地域に愛される学校として、これからもその役割を果たしていくでしょう。

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